第一部
三月の戦闘 W
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の刃だと!」
【斬り裂く銀の腕】。この銀の腕によって至高の魔剣へと変質した剣に、斬れないものはない。例え、それが物質で無かろうとも斬って見せる!
彼が剣をひと振りすると、叩きつけられていた呪力の風が一瞬収まった。【鋼の加護】を最大発動したまま、全速力で走る。
ガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!
近づけば近づくほど、受けるダメージは増える。・・・が、もう彼はそれを気にしない。
キンキンキン!!
と澄んだ音を立てながら、急所に当たる銃弾だけを斬り裂いていく。
「嘘!?」
雨のように降り注ぐ銃弾を斬り裂くという絶技に、驚愕する鈴蘭。彼女の驚いた声に、ドニはほくそ笑んだ。
「やっと一泡吹かせることが出来た!」
既に彼我の距離は、10mも無かった。カンピオーネならば、一息で詰めることの出来る距離だ。・・・つまり、
「僕の、距離だ!」
【鋼の加護】を弱めにする。体の硬度は低くなるが、体重がかなり軽くなった。それにより、今まで以上のスピードを出せるようになった彼は、一足で彼女の懐に飛び込む。
「や、ばっ・・・!」
「ハッ!」
「あ、あああああ!?」
一閃。彼の剣は、鈴蘭の胴体を切り裂いた。鈴蘭が咄嗟に後退した為に、運良く真っ二つにはならなかったが、【斬り裂く銀の腕】による傷は、カンピオーネの再生能力を多少阻害する。慌てたドニが権能を停止してみても、血が止まらない。流石のカンピオーネの再生能力でも、これほどの傷を短時間で再生するなど不可能のようだ。このままだと助からない可能性もあった。
「・・・あ!マズイ!つい本気になっちゃった!ど、どうしよう!?」
その時、アンドレアも気絶から立ち直っていた。しかし、これは幸運なこととは言えなかった。
「バカ野郎ーーーーーー!!!」
何故なら、自分の主であるドニが、【聖魔王】鈴蘭を切り裂いた場面を見てしまったのだから。
「な、何てことを・・・・・・。」
彼の言葉には、絶望しか含まれていなかった。流石に、幾らなんでも殺してしまうとは思って居なかったのだ。いや、例え死んでいなかったとしても、これ程の傷を負わせるなどあってはならない事なのだ。コレが、カンピオーネが一人しかいない国ならば問題も少ないだろう。文句を言ってきても、力でねじ伏せる事が出来る。・・・だが、この国は【魔界】と呼ばれる国なのだ。
カンピオーネが四人も存在する、前代未聞の国。その国のカンピオーネを殺害したとなれば、必ず戦争になる。そうなったら終わりだ。幾ら【剣の王】ドニでも、三
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