第三部 1979年
迷走する西ドイツ
暮色のハーグ宮 その1
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ュピーゲル紙上に、NATOの軍事演習の記事が載る。
シュトラウス国防相は嚇怒し、時の首相のコンラート・アデナウアーに関係者の逮捕を直訴した。
1962年にNATOの図上演習を手に入れた廉で編集長のルドルフ・アウグシュタインが逮捕される事件が起きる。
シュトラウス国防大臣は、警察とBNDに協力要請を取り付けた。
だが、ゲーレンは様子を見て、警察の捜査と政府の見解をデア・シュピーゲル編集部に伝えた。
その事件のために、アデナウアー首相から非難され、彼は政権内で不遇の立場に置かれた。
この事件は、ゲーレンの愛国心により、NATOの軍事的不備をリークした特集記事だった。
だが事件のために、ゲーレンは政界で浮く存在となって、彼の政治的生命は立たれたも同然だった。
そういう経緯から、シュトラウスへの恨みを募らせていた。
シュトラウスを調べるうちに、彼がビルダーバーグ会議の手先となっていることが判明する。
ゲーレンは、自分の利益誘導のために米国企業の言いなりになっている事実をつかんでいた。
だから、今回のマサキの事件を通じて、その復讐を果たすつもりでもあったのだ。
一連の経緯を知っている与野党の関係者は黙然した。
秘密情報部のゲーレンに情報で勝てる者はいないからだ。
やはりスパイは引退してもスパイなのだな……
一同が沈黙する中、ブラントの叱咤ばかり高かった。
「そうなってみろ、いずれにせよ、解散だ。
公表されて、SPDとFDUは勝てると思うか……
君たちに当選する自信はあるかね?」
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