第一章
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社長が経営している店
世界的な企業グループである八条グループには実に多くの企業が傘下にある、だがその企業の名前を聞いてだった。
山崎竜也、八条金属広島支社で働いている彼は驚いて言った。
「うちの社長さんお店もやってるんですか」
「そうだよ」
上司で課長の山本正高はすぐに答えた、二人共眼鏡をかけているが山崎は長身で細面で痩せていて黒髪はショートだ。山本は大柄で丸々と太っていて黒髪を真ん中で分けている。二人いるとアラビア数字の10の様だ。
「実はね、それで今度忘年会するから」
「社長さんのお店で」
「うちの、本社の社長さんのお店だけれどな」
「そういえば社長さん八条家の人でしたね」
「うん、グループを経営しているね」
「世界的な資産家の一族なので」
「お金はあるからね」
山本はそれでと話した。
「簡単に言うと趣味で」
「趣味ですか」
「居酒屋やっておられるんだ」
「そうなんですね」
「ここでね」
広島でというのだ。
「そうなんだよ」
「あの、趣味はわかりましたけれど」
それでもとだ、山崎は山本に問うた。
「うちの会社本社神戸ですよね」
「うん、そうだよ」
「八条家のお屋敷も神戸にあって」
この街にというのだ。
「社長さんも神戸におられるのに」
「何でも学生時代広島に行かれて」
それでとだ、山本は山崎に話した。
「いたく気に入られたんだよ」
「そうなんですね」
「それで野球も」
こちらもというのだ。
「関西だから阪神じゃなくて」
「カープですか」
「そっち贔屓なんだ、それで店の場所は」
そこはというと。
「マツダスタジアムのすぐそこだよ」
「本当にカープお好きなんですね、社長さん」
「そうだよ、じゃあ忘年会は」
「社長さんのお店で、ですね」
「やるよ、いいね」
「わかりました」
山崎は上司の言葉に頷いた、そうして忘年会の時その店に行くと店の外見は昔懐かし赤提灯であったが。
中に入ってだ、彼は引いた。
「うわ、真っ赤ですね」
「カープ一食だね」
「この写真は」
山崎にでかでかとある一枚の写真を見て言った。
「日本一の時ですね」
「三度共あるね」
「はい、一九七九年と一九八〇年と一九八四年」
「その時の写真だよ」
「凄いですね」
山崎はその写真を見て唸った。
「黄金時代でしたね」
「ミスター赤ヘルと鉄人がいて」
「背番号八と背番号三ですね」
「ユニフォームもあるよ」
見ればカープの多くの写真と共にそれもあった。
「この通りね」
「うわ、あの人のユニフォームですね」
「帽子もあるしね」
「こんなお店なんですね」
「だからうちの社長さん広島お好きでね」
それでというのだ。
「
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