第一章
[2]次話
強いサラリーマン
向田健太郎はサラリーマンである、細面で眼鏡をかけ薄い唇で穏やかな目をしている。黒髪はショートにしていて背は一七五位で痩せている。
仕事ぶりは普通だ、だが。
「アフターファイブ毎日何処かに行くけれど」
「何処に行ってるのか」
「それがわからないわね」
「どうにも」
同僚達は仕事が終わると毎日飲みに行かず一直線に何処かに行く彼のことを不思議に思っていた、それでだ。
後輩の藤本孝明日に焼けた愛嬌のある顔立ちで黒い天然パーマで一七〇位の背で痩せた彼が尋ねた。
「先輩毎日何処に行ってるんですか?」
「何時かな、行くっていうのは」
「仕事の後です」
昼休み外に食べに行こうとする彼に言った。
「飲みに誘われても行かれないですね」
「うん、お酒飲まないしね」
「そうなんですね」
「それでね」
そのうえでというのだ。
「空手やってるから」
「空手ですか」
「柔道もね」
こちらもというのだ。
「やってるし」
「柔道もですか」
「空手は極道流で」
こちらでというのだ。
「柔道は講道館にね」
「柔道発祥の」
「そうしたところに行って」
そうしてというのだ。
「汗かいてるんだ」
「毎日ですか」
「土日も祝日もやってるよ」
「そうですか」
「だからね」
そうした事情があってというのだ。
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