第一章
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要は勉強すること
兎角勉強が出来なかった、太田義男はスポーツばかりで学業の方は学年最下位であり続けていた。だが彼は笑って言っていた。
「俺スポーツ推薦でこの高校入ったしな」
「大学もか」
「そっちで決まってるからな」
友人の小谷正治に話した、太田は明るい顔立ちで面長で黒髪を短くしている。痩せた中背の身体はまさにマラソン選手のそれだ。
「別にな」
「いいんだな」
「子供の頃からな」
それこそとだ、背が高く引き締まった体格で童顔で黒髪を自分と同じく短くしている友人に対して話した。
「もうな」
「成績悪いからか」
「だからな」
それでというのだ。
「今更だよ」
「最下位でもいいか」
「勉強しなくてもやっていけたらな」
それならというのだ。
「いいだろ」
「馬鹿って言われてもいいか」
「俺は走れたらな」
それならというのだ。
「もうな」
「それでいいんだな」
「そうだよ」
こう言うのだった、そして部活一筋であったが。
その部活でだ、彼はいつも言っていた。
「食事はこれでいいか」
「今日のトレーニングメニューはこうして」
「ちゃんと身体ほぐしてやって」
「ケアもちゃんとしないとな」
「今こんな練習方法あるんだな」
「水分もこまめに摂らないと」
兎角真面目に考えて部活をしていた、そしてだ。
練習をして競技にも出ていた、小谷はそんな彼を見て言った。
「お前考えて走ってるな」
「ああ、さもないとな」
太田は小谷に答えた。
「怪我もするしな」
「怪我したら元も子もないか」
「それでな」
そうであってというのだ。
「調子にも関係するしな」
「だからか」
「食うもんとな」
それにというのだ。
「練習の内容もな」
「考えてるんだな」
「ああ、ちゃんとな」
小谷に真面目な顔で言うのだった。
「走るのは俺だしな」
「まずお前がしっかりと考えてか」
「やっていかないとな」
さもないと、というのだ。
「駄目だからな」
「考えて勉強してか」
「やってるんだよ」
「そうなんだな、そういうの見たらな」
どうかとだ、小谷は太田に言った。
「お前馬鹿じゃないな」
「成績最下位でもか」
「それでもな、あれだな」
小谷はここでこんなことを言った。
「お前は学校の勉強してないだけだな」
「してないよ」
実際にとだ、太田も認めた。
「俺は」
「そうだよな、けれどな」
それでもとだ、小谷はさらに言った。
「お前ちゃんとマラソンのことはな」
「勉強してるか」
「だから元々凄かったけれどな」
そうした選手だったがというのだ。
「尚更な」
「いいんだな」
「そうなんだな」
こう言うのだっ
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