第七百六十話 あまり力を入れていなくともその四
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「実際にそうしていますが」
「それでもなのね」
「それこそ差別や迫害といった」
「嫌なお話になるわね」
「マウリア人への迫害を行えば」
工作を理由としてというのだ。
「真剣な人権問題となりますね」
「あるな、そうしたことも」
ダンは難しい顔で話した。
「特定の民族や人種への攻撃だな」
「人類の歴史には」
「どの国でもな」
「歴史でありましたね」
「嫌な話だ、連合ではな」
自分達の国ではというのだ。
「そうしたことはな」
「否定されていますね」
「忌み嫌われている」
こうセーラに答えた。
「若しエウロパがそれを行うとな」
「ここぞとばかりに攻撃しますね」
「そうする」
間違いなくというのだ、連合はエウロパの悪いことはそれこそ鬼の首を取ったかの様に叩く傾向が強い国なのだ。
「そしてだ」
「エウロパがそうしたことを行えば」
「ここぞとばかりにな」
そうした感じでというのだ。
「攻撃する」
「それがわかっているので」
「エウロパもか」
「マウリア人を密かに調査しまして」
連合の中にいる彼等をというのだ。
「そうしてです」
「工作員を探しているか」
「地道に、ですが」
「それでもか」
「マウリア人のコミュニティは独特で」
そうであってというのだ。
「治外法権的色彩が強いので」
「マハラジャタウンだな」
「連合でもそうですね」
「この学園の近くのだ」
八条学園のというのだ。
「マハラジャタウンもな」
「左様ですね」
「かなりだ」
それこそというのだ。
「閉鎖的おいうかな」
「独自性が強く」
「連合の中にあるが」
それでもというのだ。
「まるでマウリアだ」
「というかあそこマウリアの法律適用されるのよね」
エイミーはマハラジャタウンのこのことを話した。
「これが」
「そうだったな」
「それエウロパでもかしら」
「そのこともありまして」
セーラもその通りだと答えた。
「中々です」
「工作員の捜査は進んでいないか」
「そうなのね」
「極端な方法では」
セーラはこう前置きして言った。
「エウロパのマウリア人全員の追放も考えられますが」
「それは酷いな」
「流石にね」
テンボもジャッキーも思うことだった。
「そんなことをしたらね」
「迫害そのものだな」
「差別でしょ」
「エウロパらしいけれれどな」
「これは無理です」
セーラも絶対にと言った。
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