第百三十四話 終わりに近付いてその十
[8]前話 [2]次話
「鉢巻取れなかったけれどね」
「生き残ったわね」
「よかったわね」
「それが出来て」
「生き残ったらね」
降り立った状態で笑顔で話した。
「もうそれでね」
「よしよね」
「本当にね」
「それならね」
「戦争だってね」
実際のそれもというのだ。
「生きていたらね」
「それでいいのよ、というかね」
ここで言ったのは馬だった一人のクロアチアの娘だった。
「命があって無事だったら戦争はね」
「それでよしなのね」
「そうよ、それで国家も目的果たせたら」
この条件も果たしたならというのだ。
「もうね」
「それでよしね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「もうね」
「それでよしね」
「いや、だってね」
さらに言うのだった。
「私の国内戦でね」
「ユーゴ内戦ね」
「凄いことになったから」
「大勢の人が死んで」
「こっちの戦争って洒落になってないから」
それこそというのだ。
「もう殺し合いだから」
「民間人とか関係なく」
「ナチスが引く位のね」
残虐と言われた彼等ですらというのだ。
「とんでもないから」
「ナチスが引くってね」
「まあ結構あったけれどね」
「ナチスも引く位の内戦が」
「そうだけれどね」
実際はというのだ。
「東欧ってね」
「殺し合いになったら」
「憎しみが憎しみを呼んで」
「殺し合って」
「それでね」
「残虐になるのね」
「ナチスが引く位ね」
ユダヤ人への虐殺もそうでありむしろ彼等の方がより合理的に行えと制止した程であったという。
「こっちでも凄くて」
「そんなことになるから」
「それこそね」
まさにというのだ。
「生きていて」
「五体満足なら」
「それで勝ちよ」
「そうなのね」
「独立も出来たら」
国家がというのだ。
「最高よ、そして独立出来たし」
「クロアチアは」
「よかったわ。まあユーゴスラビアにいた時も」
冷戦期のことだ、その頃はチトーが大統領として複雑な連合国家をまとめていたのだ。それが出来たのはチトーが相当な傑物だったからだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ