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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその七十六

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「しかしです」
「選挙で選ばれる総統はです」
「現役の公務員ではなれない」
「選挙に立候補出来ません」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「必ずだ」
「総統は文民です」
「その総統が軍の最高司令官であるからな」
「エウロパもまた文民統制の国です」
「まさにな、また軍務大臣もだ」
 今モンサルヴァートが就任しているこの役職エウロパ軍の事実上のトップであるこちらもというのだ。
「やはりな」
「文民が就任することもあります」
「その時の総統の人事でな」
「実際にそうした場合も多かったです」
「現役武官でなくともだ」
 エウロパ軍務大臣の職務はというのだ。
「就任出来る」
「連合はよくエウロパは文民統制の国でないと言います」
「現役武官が閣僚である場合もあるからな」
「はい、ですが」
「実は違う、そして軍人が政治に介入しているというが」
「それも違います」
 連合のこの主張もというのだ。
「決してな」
「その通りです」
 八条もそうだと頷いて答えた。
「まさに。だからこそですね」
「軍人も意見を言うべきだ」
「採用するのは総統閣下です」
「文民であられるな」
「そういうことですね」
「そもそも軍の政治への介入と言うが」
 マールボロは連合がよく批判するエウロパのこのことについてさらに話した。
「これは連合でもある」
「それは軍人の意見で提案です」
「どういった兵器が必要か、等のな」
「何が充実して何が足りていないか」
「そうした話を言ってもらわないとな」
 さもなくばというのだ。
「軍は何処がよくて何処が悪いのか」
「わかりにくいです」
「傍目で見るより現場だ」
「その方がよりわかっています」
「戦場にいる者が戦場を最も知っていてだ」
 そしてというのだ。
「戦場にいない者はな」
「例え知っていても」
「そこにいる者程知らない」
 戦場にいる者程というのだ。
「まさにな」
「そういうものですね」
「だからだ」
「それ故に」
「現場、軍人の意見も必要だ」
「そうなりますね」
「そうだ、だから私も意見を言うが」 
 元軍人の議員である彼もというのだ。
「そしてだ」
「我々軍人もですね」
「言うことだ」
「現場の意見を」
「声をしてな、我々政治家も聞く。むしろだ」 
 マールボロはここでこうも言った。
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