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おぢばにおかえり
第八十二話 三人でのひのきしんその五

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「二人共ご両親にも周りにも凄く怒られたそうよ」
「あることないこと言った結果ですね、あの子が」
「詰所まで行ってね」
「その陰湿さと卑怯さ何とかしないと」
 新一君はです。
「駄目なんですが」
「バレンタインのこととかね。けれどね」
「けれど?」
「私達が許されないことをしたのは事実よ」 
 先輩は悲しい目で言われました。
「だからね」
「新一君がしたことはですか」
「返ってきてるのよ」
「蒔いた種が、ですか」
「そう考えてるの」
「そうですか」
 私は少し項垂れて応えました。
「悪い種ですか」
「ええ、そうよ」
「だったら新一君は今悪い種を蒔いてますよ」
 ここでこう思いました。
「先輩達にそんなことをして」
「そうかも知れないわね」
「全く。何で嫌いだとああなのか」
 本当に困ったものです。
「いつも言ってるんですが」
「癖性分はそうはなおらないわね」
「そうですよね」
 このことを今実感しています。
「誰でもそうですが」
「彼もね」
「それでなんです」
 先輩にあらためてお話しました。
「今度です」
「あの子に宜しくと言ったら」
「露骨に嫌われますから」
「言わないわ」
「そうした感情をどうにかする為に」 
 新一君のです。
「宜しくお願いします、先輩のいいところ知ってもらいます」
「有り難うね」
 先輩は私に心からというお顔で言ってくれました。
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