第七十五話
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まあいい。
「魔法はリンカーコアの問題で無理だとしてもさ、念法は個人差は有るけど、大体の人が覚えられるだろう」
「ああ、そうだな」
俺が言った言葉にそれがどうした、と聞き返す深板。
「だけど、深板もファートも俺に精孔を開けてくれと言ってこないよね。どうして?」
問いかけた二人は逆に念法を使える事は他のSOS団メンバーには内緒にしろと逆に俺に忠告してくるほどだ。
普通、超常の力が手に入るならばそれを望むのではないか?と思ったのだ。それこそ、その力で無双する事を夢に思う事だって有るのではないか?
「ああ…その事か」
「うん」
何やら深板とファートは悟ったような表情を浮かべた。
「よく漫画やアニメなどで強い力は災厄を引き寄せるとかかっこつけたことが言われている物があるけど、…俺達は確信している。その通りだとっ!」
深板の言葉にうんうんと首を振っているファート。
「え?」
俺はその答えに戸惑った。
「アオはさ、魔法や念、忍術などを使えるのだろう?その事は確かにうらやましい。アオもオタクなら分かるだろう?もし自分に漫画やアニメの力が宿っていたらと妄想し、敵を無双したいと考える心が!だが、その力を実際に得たらどうだ?それはアオさんを見れば分かる。今までにどれだけ厄介事が舞い込んできたか」
とファートに言われ、頭の中で指を立てて数える。…一度や二度では無いほどの厄介事と死の恐怖を味わったなぁ…
「………」
核心を突かれ、俺は微妙な表情を浮かべた。
「そして、SAOで始まったデスゲーム。これで俺達に主人公特性が無い事も実証された。あの事件に主人公が居るとするなら、ソロで最前線に挑み続け、さらに俺達を解放させた黒の剣士キリトだろう。俺達は死の恐怖につるむ事でようやく打ち勝ったが、ボスレイドへの参加はしなかったしな。自分の命を懸けることが出来ないと、その時はっきりわかったよ」
七十五層の時は充実した装備に驕っていたと深板は語る。さらに、その驕りで死ぬ目にあったのだ、もう危険な事柄にベットは出来ないよと。
「それにVRゲームで戦闘を安全に模擬体験出来る世界なんだ、そこでは努力(レベル上げ等)をすれば誰だって強くなれるしね。安全に楽しみたいならゲームだけで十分なんだよ。現実世界で命の掛かった戦闘はしたくない。その為にはまず超常の力からは遠ざかった方が良い」
「だけど、それは俺とファートの考え方なんだ。もしSOS団内部でアオさんが念を使える事がバレてしまったら、もしかしたら念法を会得してしまうかもしれない。会得してしまえば、次は使ってみたくなるだろう?後は強力な自制心が無ければ使いたいと思う心を制御できない。結果、トラブルが起きる。そうなれば、俺達は獅子座さん
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