第26話:選択
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
月鍔ギンコperspective
「ノノを返却しに来た?」
「はい」
「どう言う事だ?あの子は『経験値倍加・全体』を持っとる筈」
「もしかして、この前の鬼退治の事をまだ恩に持っておるのか?」
その様な事を気にする事はございません。
某が勝手に戦っただけの話なのですから。
故に……
「あの時お主が来なければ、この村はお終いだった」
「あれは、借りや恩を作りたくて行った事ではございません。某はただ戦いから戦ったのみです」
「……」
「……」
しばらくの沈黙ののち、村長が重々しく口を開きました。
「ノノを連れて行けない理由は?」
流石は年の功。ノノ殿がこの村に戻った理由に何かを感じた様ですな。
「某はこれから……勇者セイン殿と戦う」
「そうですか……で?」
『で?』が出てくるとは……某の予想とは大違いでした。
「てっきり……ノノ殿の様に勇者セイン殿への攻撃を猛反対するかと思っておりましたが」
ですが、この村の長はそうは思っておらぬ様です。
「ですから、何故ノノを返却しようとしているのかをお尋ねしているのです」
やはりそう言う事か……
流石は年の功。セインめから何かを感じて拒絶しておったのだな?
「……ノノ殿は信じております。勇者セイン殿が魔王を倒してこの世界を救うと。で、ノノ殿はそんなセイン殿を支えたいと願っております」
そこへ、別の殿方がやって来て、
「ツキツバさん、そのセインには近づかない方が身の為です。既にレベル300の貴女様には無用の長物でしょうが」
「この方は?」
「この村1番の鑑定士ですじゃ。この者が貴女の経験値貯蓄と言う寄生虫の様なスキルを治すにはノノの力が必要だと言ったのです」
この世界の鑑定士は人も鑑定するのか?改めてこの世界は某がいた世界とは全く違うのですな。
「して、その鑑定士からの助言とは?」
「そのセインとやら、貴女がこの村を救ったのちにこの村にやって来たのですが、どうも何かを隠している様なのです」
隠している!?
それがあの女戦士の尊厳と生き様を汚した忌まわしき呪いか!?
「そのくそ……んんー!セイン殿が―――」
「無理はなさらない方が良いですぞ。本当はセインに良い印象は持っておらぬのでしょ?」
気取られましたか?流石鑑定士、某も修行不足と言う訳か?
そこへ村の長がセインについて語り始めた。
「それに、この村に来る順番も影響しているのかも知れませんが、セインはこの村に対して何もしませんでした」
某は……某の想いを素直に話しました。
「某は異様な呪いで神聖な戦を汚す不届き者のセインを討ち取りたい!そうせねば!セインに戦士としての尊厳を汚される呪いをかけられ、某に討ち取られたあの女子が浮かばれぬ!」
それを聴いた鑑定士が、某にある可能性について語ってくれまし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ