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とある星の力を使いし者
第172話
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ない。
 私自身も誰だ覚醒しているか分からない。
 そもそも、接触すらできないからね。
 私の知っている限りの守護者にこの事を伝えるつもり。
 それだけを伝えたかったの。」

そう言って、ユウナは地面に手を当てる。
すると、戦闘の余波でボロボロになったコンテナや地面を治していく。
さらに倒れている『妹達(シスターズ)』や削板を治療を始める。
といっても、彼らに致命傷のような傷はないが、倒れているのなら少しでも治療したいと思うのが彼女だ。

「ユウナ様。」

オッレルスの声に反応して振り返る。
その仕草はまさに女性のモノだった。
身体が男なので何とも違和感しかないが。

「私は、私が知っている守護者を疑っていないわよ。」

オッレルスが聞こうとした質問の答えを読んだのか。
質問する前に答えられ、少しだけ驚く。

「貴方を含めた三人は前から知り合ってたからね。
 信じているのよ。
 まぁ、他の守護者が裏切っている事は悲しいけどね。」

本当に悲しそうな顔を浮かべながら、ユウナは小さく思いを口にする。
その表情を見て、どんな言葉をかければよいのか迷っていると、ユウナがあっ、と何かを思い出した。
何やら、ニヤニヤ、と笑みを浮かべつつオッレルスに近づく。

「そうだ、シルビアは今どこにいるの?」

突然の質問の意図に分からず、少し小首を傾げながら答えた。
シルビアとはオッレルスとコンビを組む長身の女性。
彼女はとあるアパートメントで、オッレルスの帰りを待っている。
今は彼女だけではなく、人身売買組織を壊滅させた際に、一緒に連れて来た子供達もオッレルスの帰りを待っている。
その話を聞いて、ふむふむ、と頷くと拳を握り何故か準備体操をし始める。
オッレルスはとてつもなく嫌な予感がした。

「な、何をしているのですか?」

嫌な予感が外れてくれ、と心の底から願いながら訪ねる。
ユウナは今までにない素晴らしい邪悪な笑顔を浮かべて言った。

「二回も『北欧王座(フリズスキャルヴ)』を喰らったからね。
 お返しをしないとって思ってね。」

「でも、あれは麻生恭介に向けたのであって、ユウナ様に向けた訳ではッ!!」

「問答無用!!
 この身体に私がいるのだから、私に向けたのも同然よ!!」

逃げようと思ったが身体が動かない。
既にユウナが能力を使い、逃げれないようにしている。
原理はさっぱり分からない。
オッレルスよりユウナの方が何倍も星の力を扱え、熟知している。
だからこそ、迫り来る拳をただ見るだけしかできないオッレルスは、唯一動く口だけを動かして叫んだ。

「この悪魔野郎がああああああああああああッッッッ!!!!!!」

ユウナの拳を喰らったオッレルスは凄まじ
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