第172話
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治療できなかった。
オッレルスはこの事を知っている。
麻生に教えなかったのは、今回の事で教えても意味がないと思ったからだ。
それらを踏まえてオッレルスは思う。
眼の前に立っているこの男は誰なのか、と。
傷を治しているという事は、オッレルス以上に星の力を扱え、熟知している事になる。
「お前は誰だ。」
最大まで警戒しつつ、オッレルスは尋ねた。
少し俯き加減だった麻生の顔が上に上がり、少しだけ笑った後に。
「ひっさしぶり、オッレルス!」
シュタ、と片手を挙げて太陽のような笑顔を浮かべて、馴れ馴れしく話しかけた。
それを聞いてオッレルスは思わず、ずっこけそうになった。
何とか体勢を整えて、彼は言う。
「お久しぶりです、ユウナ様。」
「ユウナ様なんてやめてよ。
貴方と私の仲じゃない。」
「それ他の人にも当てはまりますよ。」
少し驚いたが、オッレルスは先程とは違い『麻生』に話しかけている。
ここにいる麻生恭介ではない。
〇九三〇事件の時、麻生の身体を借りてバルドと戦った、初代星の守護者ユウナだ。
麻生を少しでも知る人なら明らかに別人だと分かるだろう。
あまり人前では笑わない麻生が普通に笑い。
親しげに声をかける所など、あの麻生からすればありえない事だ。
「驚きましたよ。
ユウナ様がその身体を使って、現れてくるなんて。」
「それは私の台詞。
オッレルスがわざわざこの子に喧嘩ふっかけるなんて、本当に驚いたわよ。
本当ならあそこでこの子は眠る筈だったんだけど、私は私でやる事があるから少し身体を借りているの。」
「星の予言が完全にずれた事を、彼から聞いて、ここからは独自の判断で動く事を言われ私はここに来たのですよ。
少しでも彼が覚醒するように。」
「全部伝えない所が偉いわ。」
「伝えたくても、制約で話せませんよ。」
さて、とユウナが言葉を区切るとその場の空気が引き締った。
「貴方にも伝える事があるから、好都合だったわ。」
「内容はなんですか?」
「バルドが動いた。」
その言葉だけでオッレルスは大きく目を見開いた。
「あいつがですか。」
「星の予言が完全にずれたのはあいつが原因よ。
本来、私が出る筈がなかったのに、出る羽目になった。
あのままだと根源に到達されそうだったからね。
これまで、何度がダゴン秘密教団の妨害や接触があった。
星の予言にない所で。
これらを踏まえて言わせてもらうと。」
「まさか・・・」
「ええ、守護者である貴方達の誰かに裏切り者がいる。」
ユウナの言葉にオッレルスは言葉が出なかった。
信じられないようなそんな表情をしていた。
「守護者の覚醒は強制じゃ
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