第172話
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打点から、そこから衝撃が広がった訳ではない。
布を水に浸すように、不自然なダメージが全体に浸透している。
「本来、これを表の俺が普通に君に使えば、この術式の正体が分かっただろう。
それも無傷でね。
だが、星の力を混ぜる事でその術式をさらに昇華させ、『北欧王座』をさらに進化させている。
何が起こったのか君は何も分からない筈だ。
加えて。」
何とか立ち上がろうと、腕に力を込めるが全く力が入らない。
全身は傷だらけで、服もボロボロだ。
「星の力により、治癒は不可能。
分かったかい?
星の力とは単に身体能力を爆発的に向上させるだけではない。
このように術式や霊装と連携させる事で、さらに進化する。
この力で武器を創るのもありだが、その場合確固たるイメージを持ってやらなければ、中途半端な武器になり本来の性能を引き出せない。
君があの天使と戦った時もそうだ。
確固たるイメージを持って武器を創れば、もう少し戦えただろう。」
『北欧王座』自体の原理は分かる。
しかし、オッレルスが星の力で昇華させているのなら、麻生の持っている知識では何の役にも立たないだろう。
まさしく、『説明のできない現象』になっている。
星の力を使い、無理矢理立ち上がろうとするが、オッレルスはそれを許さない。
北欧王座』を放ち、麻生はさらに吹き飛ぶ。
「君が本来の力を扱えたのなら、存在を認知されただけで俺は負ける。
しかし、その程度なら俺も充分に対処できる。
もっとも俺自身、この力は全て把握はしていないがね。」
そう言って、オッレルスは踵を返す。
用は終えた、とそう思って学園都市から出ようとした時だった。
背後から圧倒的な存在感を感じた。
慌てて振り返ると、麻生恭介が立っていた。
普通に立っているだけならオッレルスは驚きはしない。
だが、傷も完全に治っているのはどういう事だろう。
服も元に戻っているが、それは些細な事だ。
麻生の能力を使えば、いくらでも新品に変換できる。
傷の方はそうはいかない。
さっきもオッレルスが言ったが、星の力で攻撃されれば自然治癒を除き、治癒は不可能だ。
しかし、これには一つだけ例外が存在していた。
同じ力を使う者同士がぶつかり合った時だけに適応される。
それは星の力を扱う技量差だ。
両者の間で星の力をどれだけ扱う事ができ、熟知しているか。
この差で大きく事情が変わる。
相手の星の力で攻撃を受けても、自分が相手より星の力を扱い慣れ、熟知していればその傷を治癒する事ができる。
これを判断するのは星自信だ。
さっき、麻生がオッレルスの攻撃を受けて治療できなかったのにも、この差があったから
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