第172話
[2/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いない。
それも超能力者クラスの能力者が。
底から少し離れた所で、九人ほどの少女達が倒れている。
服装から髪型、身長、体格、果ては顔の作りまでは全て同一の少女達。
麻生はその少女達を知っている。
御坂美琴の体細胞を利用して生み出された『妹達』だ。
そして、その激闘の爪痕の中心に一人の男がボロボロになって倒れ、一人の男が無傷で立っていた。
ボロボロになって倒れている人物に麻生は見覚えがある。
削板軍覇。
つい最近『根性磨き直すメニュー』というふざけたトレーニングに付き合せた本人。
無傷で立っている男に見覚えは全くない。
「遅かったな。
一度だけだが、俺が星の力を使ったのを感じたのならすぐに来るべきだ。
それなのに、君は三分も考え、ようやくここに来た。」
麻生の方をゆっくりと視線を向けながら、男は話す。
話の内容からして、この男は麻生の事を知っていて、さらに星の力も知っている。
頭の痛みがないという事は、ダゴン秘密教団ではない可能性が高い。
「お前、何者だ。
あいつらの仲間か。」
「一つ一つ答えるとしよう。
俺はオッレルス。
かつて魔神になる筈だった男だよ。
しかし、これは表の俺の話だが。」
オッレルスの言葉を聞いて疑問に思う所が出てきた。
「表、だと。」
「あいつらと言うのはダゴン秘密教団の事だろう?
奴らと俺の関係を言い表すなら、敵同士だな。」
嘘を言っているかもしれないが、麻生はこのオッレルスの言葉は信じてもいいと思った。
理由はない。
自身の直感と言い様のない自信があった。
「表の俺ってどういう事だ?」
「答える必要はない。
というより、答える権利がない。」
「どういう事だ?」
「そもそも、今日俺が君に会う事はなかった。
表の俺の仕事を終え、速やかにここを去る。
しかし、つい最近になって予定が一気に崩れ、独自の判断で君を呼んだ。
分かりやすい餌を出す事でね。」
「完璧に俺は釣られた訳か。
最後に聞きたい。
俺に会ってどうするつもりだ。」
オッレルスはうっすらと笑みを浮かべて言った。
「別にどうこうするつもりは全くない。
ただ、君に知ってもらった方が良いと思ってね。
その力を扱えるのは君だけじゃない事を。
そして、今のままでは駄目だ。」
「そうかい。
後の詳しい話はそっちのやり方に合わせて聞いてやるよ!」
能力を発動して地面を蹴る。
音速を超える速度で接近した後、左拳でオッレルスの顔面を捉える。
完璧に捉えた。
「なっ・・・」
思わず息を呑んだ。
音速を超える速度で突撃して、さらにベクトル操作で倍以上に威力を
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ