第二十三話 当たった不安その三
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「そうなりました」
「そうなのね、そう言われると」
「貴女もですね」
「ええ、あたいもね」
まさにというのだ。
「そうなったわ」
「どなたも変わったかと」
「こうして一緒にいるうちにね」
「おかしな野心はです」
「なくなったわね」
「残虐な心もだね」
ヨドンナは自分達の鍋の海鮮鍋の牡蠣を食べて話した。
「なくなってきたね」
「お互いそうよね」
「変わったよ、僕も」
ヨトンナはしみじみとした口調で言った、そうしてビールを飲んでからこんなことも言ったのだった。
「思えばね」
「あたいもでね」
「皆ね」
「こうして一緒に戦う様になって」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「お互い感化もされて」
「変わっていってるね、変に戦うよりも」
「そう、お金持ちになった方がだよ」
「ずっといいね」
「仲良くやっていってね」
「そうだ、争ってばかりだとな」
ヤーブンは豆乳鍋を突きつつ言った。
「傷付くばかりでな」
「何も得られないね」
「そういうものだ」
鍋の中の豚肉を食べてから答えた。
「俺は元々そうした考えがあったか」
「そうみたいね」
マーダッコはまさにと応えた。
「あんたはね」
「別にな」
これといってというのだ。
「必死になって戦わなくてもな」
「それでもだね」
「得られるものが得られたらな」
「それでいいね」
「そうした考えでな」
それでというのだ。
「別にな」
「戦わなくてもいいんだね」
「ああ、ただ戦って得られるなら」
「戦うね」
「そうした考えだよ」
今度は赤ワインを飲みつつ話した。
「俺はな」
「そうだね」
「今は特にな」
「そうした考えだね」
「そうだ、まあこうして皆と一緒に楽しくやってるとな」
「満足するね」
「ああ」
今度はヨドンナに答えた。
「それでな」
「僕もそうした考えになっているよ、ただね」
「ただ？どうしたんだ？」
「何をしても変わらない連中もいるね」
「ああ、いるな」
まさにとだ、ソノヤが応えた。
「そうした奴も」
「そうだね」
「残念だがな」
ソノナと共にうどんすきを食べつつ言った。
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