第二十三話 当たった不安その一
[8]前話 [2]次話
第二十三話 当たった不安
ゼットは今は仲間達と共に鍋を囲んでいた、それぞれ分かれて一つの鍋を囲んでいる。鍋の種類は色々だった。
ゼットはその中の一つの鮟鱇鍋を食べつつだ、こんなことを言った。
「鮟鱇みたいな魚が食えるのがな」
「それも美味しくですね」
グリッタが彼のお椀に鮟鱇を入れつつ応えた。
「思いませんね」
「ああ、不格好でもな」
「食べてみますと」
「相当にな」
こう言っていいまでにというのだ。
「美味いな」
「そうですね」
「しかもな」
ゼットはよく煮られた鮟鱇を食べつつ言った。
「野菜や茸もな」
「沢山入っていまして」
「そうなっていてな」
それでというのだ。
「鍋っていうのはな」
「いいお料理ですね」
「キラキラしてるな」
笑ってだ、ゼットはこうも言った。
「本当に」
「そうですね」
「そしてな」
そのうえでというのだった。
「皆と一緒に食うとな」
「尚更ですね」
「キラキラしてるぜ」
「何かです」
グリッタはゼットのその言葉を聞いてこう言った。
「ゼット様の求めておられるものは」
「キラキラはな」
「それはです」
自分も食べつつ話した。
「この世に満ちているのではないでしょうか」
「それもあちこちにだな」
「最近そう思いますが」
「そうかもな」
ゼットも否定しなかった。
「実際のところは」
「そうですね」
「ずっと探していたけれどな」
「キラキラは近くにありますね」
「しかもな」
それだけでなくというのだ。
「沢山な」
「あるものですね」
「そうですな」
ネロは鍋の中のしめじや椎茸を食べつつ言った。
「そうしたものは実はです」
「傍に沢山あるか」
「はい、そして」
そうであってというのだ。
「それを見付けることが出来れば」
「それでいいな」
「そうかと」
「そうだな、それで具体的なキラキラってのはな」
「一口では言えませぬが」
モルクは白菜と豆腐を食べつつ応えた。
「幸せでしょうか」
「そうだな、幸せかもな」
「そうやも知れませぬな」
「愛情とか友情とかな」
「そうしたものでありまして」
そうであってというのだ。
「近くにです」
「あるものかもな」
「それも多く」
「そのことも気付いたか」
ゼットは食べつつ話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ