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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第15話
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ウロド決戦はアバン達の都合の悪い方向へと突き進んでいた。
キエサリ草の効果はゾーマズレディの凍てつく波動で打ち消され、フレイザード2号の極大消滅呪文(メドローア)とサルガメの尻尾は1ヵ所に留まる事を許さぬ凶悪さを誇り、ハドラーちゃんに至ってはウトロ決戦最大の要である『凍れる時間(とき)の秘法』を恐れて欠席である。
しかも、ウロドにやって来たハドラーちゃん側の精鋭はたったの3人。つまり、万が一の時はついて来たモンスター達を全滅させて魔王軍の戦力と兵力を削ぐ……すら出来ないのである。
「……さて……どうしたものか……」

一方、地底魔城でウロド決戦を観戦していたハドラーちゃんは、玉座に座らず立ったまま腕組みをしていた。
「どうするアバン?これで凍れる時間(とき)の秘法如きに時間を奪われ尽くされる事は無くなった。ここからが武人として、そして勇者としての試金石ぞ」

気付けはサルガメの姿が消えていた。
(あのデカブツが……いなくなった?)
ここでマトリフがサルガメの尻尾の事を思い出す。
(は!)
「下だ!アバン!」
その途端、サルガメの頭部が地面から突然生えてアバンを真下から頭突きしようとするが、マトリフの警告のお陰でギリギリで回避した。
そんなアバンを嘲笑うサルガメ。
「どうしたどうした!発見と判断が遅いぞ!せっかくこんなにも臭くしてやったのによ、まーだ眼に頼り過ぎて俺を見失ったかぁ!?」
その言葉に対して皮肉を言うマトリフ。
「言ってくれるぜ!そう言うお前だって、発見されねぇ様に地面の中を移動してるじゃねぇか!」
「ははは!眼に頼り過ぎた愚者は直ぐそう言う泣き言を言う。だが、この俺にはそう言う甘えは効かんぞ!」
そう言うと、再び地面に中に潜るサルガメ。
(目に頼り過ぎ……か。確かにこういう姿無き敵は、色々と厄介だよなぁ)
ならばと重圧呪文(ベタン)で地面を穴だらけにしてサルガメを引き摺り出そうとするが、
「おっと!アンタの相手は私だよ!」
フレイザード2号がそう言うと、左手から冷たく輝く息を吐いてマトリフを牽制する。
「ち!?」
「そう言う事そう言う事!このまま立ち止まらずに動き回るのが得策だよ!」
だが、アバンがちょこまか動き回ればアバンが凍れる時間(とき)の秘法の詠唱に集中出来ない。
(やはり……この布陣はアバンに凍れる時間(とき)の秘法を使わせない為の秘策!)
その間も、右手から灼熱の炎を吐いてアバンの立ち止まりを防ごうとするフレイザード2号。
(先ずは……あの可愛いお嬢ちゃんからだな)
「おーい!」
「ん?」
「そんな安全な所で攻撃したって、俺達には当たらないぜ?」
マトリフの意図が読めないフレイザード2号。
「……そりゃそうだろ。こうもちょこまか動き回られたら、そう簡単には
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