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ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第15話
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する前に始まってしまったのだ。
サルガメの苦戦やフレイザード2号の重傷を観て目頭や歯ぐきから血が出る程苦悶し歯噛みしていたハドラーちゃんも、漸く始まってくれた皆既日食を観て少しだけ安堵した。
「そうだ!俺とお前の間に凍れる時間(とき)の秘法は不要!そうだろ!アバン!」
それと同時に……サルガメへの申し訳なさに苛まれていた。
(すまんなサルガメ……許せとは言わん!ただ、凍れる時間(とき)の秘法から逃れる為だけにサルガメ(おまえ)を造った俺は、お前に恨まれる資格が有る……それだけは確かだ!)
一方のアバンの焦りはピークを迎えていた。
「何とした事……このままでは、間に合わない!?」
そんなアバンの焦りをサルガメが嘲笑う。
「この期に及んでまーだ凍れる時間(とき)の秘法に頼るか……マジで勇者失格だな!」
そして、無数の石礫がまたしてもアバンを襲った。
「死ねぇー!お前の様な偽勇者の贋作如きが、ハドラー様の手を煩わせるまでもない!」
サルガメがハドラーちゃんの言い付けに反してアバンに止めを刺そうとした時、アバンの脳裏に何者かの声が響いた。
「見た目に惑わされちゃダメ。目を凝らして見た目の先に在る本質を視るの」
その途端、アバンは目を閉じて静かに剣を構えた。
(そう……でしたね?空裂斬は心の剣。サルガメ、私は確かに目以外の物を疎かにいていたのかも知れませんね?)
止めを刺す心算でアバンとすれ違ったサルガメが再び合体するが、
「ん?何でアバンが逆さに見える?どう言う事だ?」
よく視ると、サルガメの頭部が股間についていた。
「だははは!随分ご立派な物をぶら下げてるじゃねぇか!?」
マトリフに嘲笑われている中、サルガメは慌てて何かを探すが、
「あーーーーー!無い!俺の核が!俺の!」
アバンが持っている物を視て愕然とするサルガメ。
「探し物は……これですか?」
「!?俺の核が……何でこんな所に!?」
「これ、確かに臭かったですよ。お陰で、私は自分の耳や鼻を全く信用していなかった事を自覚しましたよ」
サルガメが恐る恐る空を視上げるが、皆既日食はまだ終わっていなかった。
「そんな……」
ハドラーちゃんに言い渡された使命を果たせない焦りからか、サルガメが命乞いを始めた。
「待て!このまま皆既日食が終わらず凍れる時間(とき)の秘法に頼りっぱなしでは勇者の名折れとは思わんか!?」
だが、アバンは一蹴する。
「思わん!」
「そんな事より、必中の必殺技を完成させて堂々とハドラー様に挑んだ方が勇者の名声を保てるとは思わんか!?」
「確かに私の必殺技(スラッシュ)も刀殺法もまだ完成してはいない。今、この場で平和を手に入れるには、凍れる時間(とき)の秘法しかなかった……」
サルガメはアバンの言い分に混乱し困惑しながら
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