暁 〜小説投稿サイト〜
ハドラーちゃんの強くてニューゲーム
第15話
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?」
「いや……その割には距離があり過ぎる……」
マトリフが「これは罠だ!」と言いかけたが、時すでに遅く、無数の石礫がアバンを襲った。
「やはり自爆かな?」
「……だと、良いんだがな……」
が、さっきの無数の石礫がまたアバンを襲った。
「合体と分裂を繰り返すって訳か!?こいつ、やはり!」
「えぇ。アレは、禁呪法で生み出された人工生命体だ!」
「それで臭かったのか?魔王も傍迷惑な者を造るわい」
が、アバン達の予想に反して、無数の石礫は無数の蜂の群れの様に空を舞った。
「ガッハハハハハハ!どうだ!?地面に入れぬなら空中に入れは良いだけの話!流石の貴様だって空中を凍らすのは無理だろう?」
空中を自由自在に泳ぐ無数の石礫となったサルガメが自信満々に言い放つ。
「これでもう目は使えまい。俺の爆裂岩衝弾が勝つかお前の鼻や耳が勝つか……勝負だ!」
それには流石のマトリフも困惑し歯噛みする。
(そんな奥の手があったとはね。そうと解っていれば、あのお嬢ちゃんを追い出さなかったんだがなぁ)
マトリフはフレイザード2号が使用した極大消滅呪文(メドローア)を真似て何か撃とうとするが、サルガメがそれを阻む。
「アイツの極大消滅呪文(メドローア)の原理を本当に見抜いた様だな?が、極大消滅呪文(メドローア)を形成する速度はアイツの方が速い様だな!」
「原理が解っても体が動かなかったら意味無いか……歳は取りたくねぇなぁ」
その間もブロキーナがサルガメを殴ろうとするが、そのどれもサルガメの核に届かずにブロキーナの手を臭くするだけであった。
「やめとけやめとけ。これ以上俺の臭いをお前に遷したら、アバンの鼻が大混乱するだけだぜ」
マトリフの呪文もブロキーナの鉄拳も通用しない今、サルガメを止めるのはアバンの空裂斬のみだ。が……
(オーサムでの戦いの時の命中率は50%といったところ……どうする!?アバン!)

目を覚ましたロカは、ここが見慣れぬ部屋だと気付いてレイラに訊ねた。
「……レイラ。ここ……どこだ?」
「パプニカのお城よ。あの後、王族の使者の方が来て、私達をここに匿ってくださったの」
ここでふと自分が寝かされていた理由を思い出し、慌てて外を見た。
「そうだ!アバンは!?夜になっちまってる!もう、終わっちまった後なのか!」
だが、レイラの答えはロカにとっては予想外過ぎた。
「今は……夜じゃないわ」
そう言われたロカが慌てて外へ出て信じられない物を見てしまう。
「あ……ああっ……」
(アバン!)

空中を自由自在に泳ぐ無数の石礫と化したサルガメとの戦いの最中、アバン達が恐れていた事態が遂に始まってしまった。
「しまった!太陽が!?」
凍れる時間(とき)の秘法発動の必須条件である皆既日食が、ハドラーちゃんがウロドに到着
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