第15話
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当たらんだろ」
「そして弾切れでジリ貧……つまらん敗け方だぜ?」
このやり取りを挑発と判断したフレイザード2号は、
「なら……最初の奴をもう1発放とうか?そうすれば、今度こそ立ち止まっている余裕が無いを思い知るだろう……」
フレイザード2号は右手から吐く灼熱の炎と左手から吐くあまりの低温で凍った大気が輝くほどの猛吹雪を眼前で―――
(タイミングは超シビアだが……やるしかねぇ!)
マトリフが思い出すは、恩師バルゴートとの会話であった。
「危険?合体呪文が?」
「正確には、『危険な組み合わせがある』と言う事だ」
「どう言うこった?」
「2つの呪文を同時に使用するお前の才能には感心したが、1歩間違えば、合体呪文はお前自身を滅ぼす」
マトリフは半信半疑で訊ねた。
「どの組み合わせが不味いってんだ師匠?」
そこで、バルゴートは微弱な氷系呪文を発生させた。
「これにお前の火炎呪文を重ねてみろ」
バルゴートの言ってる意味がますます解らなくなるマトリフ。
「?いや、火炎呪文と氷系呪文は同時に使わねぇだろ。威力を殺しあっちまうし意味ねぇよ」
対するバルゴートは頑固に命じ続ける。
「いいから重ねてみろ。ただし、私の呪文とまったく同じ強さに合わせるのだ」
マトリフは、訳の解らぬままバルゴートの微弱な氷系呪文に微弱な火炎呪文をぶつけてみた。すると、
(!?呪文同士が!?……混ざって……弾ける!)
そして……火炎呪文と氷系呪文が相殺し合う時に発生する力に耐え切れずに吹っ飛ぶマトリフ。
(そう……かっ!)
ここで、ようやくバルゴートの言いたい事を正しく理解したマトリフ。
(温度を変化させるって点においては、2つの呪文は同質なんだ!だから完全に同威力で合成すると、両極の力が混ざってとんでもないモノに化ける!全てを……消滅させる様な別の呪文に!)
「お前は聞き分けのない弟子だ。口で言っても従わん。しかし、1を聞けば10を知る知恵もある。だから身体で覚えて貰った。2度は言わん。気を付けろ。いいなマトリフ?」
フレイザード2号の極大消滅呪文の原理を見抜いたマトリフは、フレイザード2号の眼前で行われている灼熱の炎と冷たく輝く息のぶつかり合いに火炎呪文を強引に割り込ませた。
(しまった!?こいつ!極大消滅呪文の習得を困難にした炎と氷のバランスを……もう見抜いてる!?)
(こいつの氷と威力を合わせて……)
この事態に、フレイザード2号が汗だくとなる。
(不味い!極大消滅呪文が……暴発する!)
「弾けろおぉーーーーー!」
暴発した|
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