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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第133話『文化祭2日目』
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。私の方こそ変なこと言ってしまってごめんなさい」


場違いなことを口走ってしまったと、優菜は謝る。そして自分のせいで暗くなってしまった雰囲気を盛り上げるべく、違う話題を切り出した。


「刻ちゃんは、恋人とか好きな人とかいるんですか?」

「うちですか? はっはっはっ、もちろんいる訳ないじゃないですか。いるものなら欲しいですね。主にアシスタントとして」

「そういう条件なんだ……」


優菜が選んだ話題は恋バナ。他人の色恋が気になるのは人間の性というもの。晴登だって、身近な人の色恋沙汰には興味がある。しかし、実際に刻の口から恋愛事情を聞き、マジック一筋の彼女らしいと苦笑い。彼女と付き合うにはマジックに対する理解と相応の鍛錬が必要になることだろう。そういう意味では、


「じゃあ魔術部で見つかるかもしれませんね」

「言われてみれば確かに」

「む、ハルトはダメだよ」

「わかってますって。それじゃあ先輩の誰かになるんでしょうか」


優菜目線だが、マジックの使い手が集う魔術部はアシスタントを見つけるには絶好の環境だろう。そうなると選択肢として考えられるのは二年生の先輩と──


「あれ? 伸太郎は?」

「伸くんは……なんか壁を感じるんですよね。ちょっと怖いかもです」

「あーそれはわかる。でも賢くて凄く頼りになるし、良いやつだよ」

「へぇ〜意外ですね〜。じゃあ候補として数えておきましょうか」


刻が伸太郎を選択肢に挙げなかった理由は単に彼の性格が苦手なようだ。
確かに仲良くなる前は、彼は誰とも関わりを持とうとしなかったし、話してもぶっきらぼうで感情変化は乏しく、近寄り難い人だった。
それでも構い続けた結果、晴登は今の関係に至ることができた。刻もきっと伸太郎とは仲良くできると思う。


「では私達は次の公演があるのでこの辺で」

「うん、頑張ってね」


晴登は手を振って二人を見送り、結月と共に次の目的地へと向かった。





「こんにちはー」

「お? 三浦じゃないか! いらっしゃい!」

「昨日ぶりですね」


目的通り、終夜のクラスにやって来た晴登と結月。運良く終夜が受付にいてくれたおかげで、探す手間は省けた。

ちなみに、文化祭は3年生も出店することは可能なのだが、彼らは受験を控えた大事な時期なので、他の学年と比べると出し物は簡素なものになりがちなのだそうだ。このクラスもその例に漏れず、教室の入口で飲み物を販売しているだけで、教室の中までは特に装飾は施されてはいなかった。とはいえ、文化祭を回っているのか人があんまりいる様子はない。


「来たからには買うんだよな? この特製元気ドリンク」

「は、はい、もちろ
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