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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第210話:蛇に縛られた心
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力的なものとしてミラアルクの目に映っていた。
叶う事なら、平穏で穏やかな日常に戻りたい。結社に体を改造される前の人生に戻りたいと願うのは、ミラアルクだけではなかった。故に、ミラアルクの言葉にはヴァネッサだけでなくエルザも興味を引かれ、期待を込めた目を向けていた。
「どういう、事でありますか? ミラアルク、一体連中と何を……」
「実は――――」
ミラアルクは正直に話した。S.O.N.G.には腕の立つ錬金術師が居る事、その錬金術師であれば彼女達の治療が出来るだろうと言う事。その話にミラアルクも確かな希望を抱いていた。それが真実なのであれば、あんな連中の小間使いとして見下されながら動いたり、訃堂の顔色を伺いながら動く必要もなくなる。
「それが誠なら、私めらもこんな生活とはおさらばに……!」
「待って」
だがヴァネッサは違った。彼女は2人に比べて元々錬金術師であった事も関係してか、警戒心が強い方であった。なのでミラアルクの言葉に多少心を揺り動かされはしても、即座に動くほど単純でも純粋でもなかったのだ。
「確かに、S.O.N.G.と錬金術師が連携しているのは間違いないのでしょう。でもそれって、元をただせば結社の錬金術師なんじゃないの?」
S.O.N.G.が瓦解した結社の後釜となる組織である錬金術師協会と手を組んでいる事は彼女達も知っている。そう考えるとS.O.N.G.が錬金術師の手を借りられる事は何らおかしな事ではない。そして、であるとするならば、ヴァネッサの目からは切歌と調の発言は淡い期待に縋る机上の空論の様にも思えたのである。要は自分達には何の知識も無いけれど、もしかしたら3人の治療が出来るかもしれないと言う餌をチラつかせている様に思えてしまったのだ。
尤も餌をチラつかせていると言う点に関してはジェネシスも同様であり、どちらが信用に値するかはヴァネッサの中でも判断に迷うところではあるのだが。
「それは……確かにそうかもしれないけど……、でも! それでも、あのいけ好かない魔法使い共や風鳴 訃堂に比べたら……」
それでも尚希望に手を伸ばそうとするミラアルクであったが、ヴァネッサはそれを無理矢理落ち着かせる事で宥めた。
「言いたい事は分かるわ。でもね、ミラアルクちゃん? それを判断するには、私達は連中の事を知らなさすぎるわ」
本当はヴァネッサだって、平和的に解決できるならばそうしたい。だが今まで虐げられてきた事、そしてS.O.N.G.が実質的にはバックに訃堂が控えていると言う状況が決断を迷わせていたのだ。
「とにかく、今は回復を優先させて。その間に私の方で少し探りを入れてみるから」
「ヴァネッサ……すまないんだゼ」
「いいのよ。エルザちゃん、ミラアルクちゃんの事はお願いね」
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