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邪教、引き継ぎます
第四章
33.ロンダルキアの夜
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陰におったのか? まったく気付かんかったぞ。おぬしもただ者ではないな?」
「いえ、ただの魔術師ですが……ケイラスさんから『お前の存在感のなさは群を抜いている』と言われ、バレないように留守中の神殿を監視しろと命じられまして。毎日このあたりに残っていました」

 それはヒースにとって嬉しい誤算だった。

「でかした。フォルはわしの言うことを疑わんかもしれぬが、他の人間は必ずしもそうとは限らんじゃろうからな。お前さんの証言もあれば皆きっと信じてくれよう」

 いっぽう、祈祷師ハンソンもふたたび笑い出す。

「生きのびられる前提なのは滑稽に過ぎますな。魔術師一人加わったところであまり変わりませんよ。やはり実は耄碌(もうろく)されていらっしゃるのではないですか?」

 老アークデーモンは、魔術師デルギンスをかばうように立った。

「いかにも、わしはアークデーモンの平均寿命をとうに超えておる。じゃがおぬしらには負けん」

 海底の洞窟のほうは、杞憂であればよいが――。
 老アークデーモンは追加でそう小さくつぶやき、三つ又の槍を握る手に力を込めた。
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