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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその六十九

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「考えることも可能だ」
「そうも言われていますね」
「だからエウロパ総統もな」
「皇帝とされますね」
「人類社会で四人目のな」
「左様ですね」
「ある程度所属の政党を超越しているしな」
 その権限の強さ故にだ、実際に所属政党の多数派すら無視して政治を行ったエウロパ総統も過去には存在している。
「そう考えるとな」
「やはりですね」
「エウロパ総統もですね」
「皇帝だ」
「エウロパがローマ帝国の流れを汲む国家であり」
「その国家元首で権限も強いからな」
「そうも言えますね」
「そうだ、だが連合の大統領は」
 中央政府のそれはというのだ。
「そこがだ」
「違いますね」
「あの国は国連の流れを汲んでいる」
「国際連合の」
「そして大統領は事務局長だ」
 そのルーツにあるというのだ。
「だからだ」
「連合中央政府大統領は皇帝ではないですね」
「歴史的な流れでもな」
「共和制の国家元首ですね」
「そうとしか言えない」 
 尚オクタヴィアヌス、初代ローマ皇帝の彼もローマの共和制を守ると言っていて元老院を尊重していた。しかしその実は第一の市民という特別な立場であり軍の最高司令官であり続けていた。それが帝政ローマであったのだ。
「あくまで多くの国家の共和制でだ」
「その上に立つ」
「そうした存在でな」
「エウロパ総統とは違い」
「皇帝ではない」
「三百以上の国家の上に立つ存在でも」
「そこは神聖ローマ帝国に似ていて」
 領邦国家、多くの国家内の国家により構成されていたこの国と、というのだ。ハプスブルク家もその中の領主であったのだ。
「そして日本のだ」
「江戸幕府ですね」
「非常に似ている、だが」
「国連がベースであり」
「あの国はな」
「あくまで、ですね」
「共和制だ」
 そうした国家だというのだ。
「そして大統領もだ」
「皇帝ではないですね」
「共和制の国家の元首だ」
 それ以外の何でもないというのだ。
「そうなっている」
「左様ですね」
「そしてだ」 
 マールボロは言葉を続けた。
「皇帝を戴く国をその中に置いている」
「それが連合ですね」
「皇帝は至上の存在とされるが」
「そこも元は国連であるので」
「国家連合だからな」
「いいのですね」
「しかしサハラは違う」
 その皇帝はというのだ。
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