人を好きになる条件は……
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は居ない。
「あっ……いえっ、そんな……あのぅ……」
顔を上げたライデンは蕩ける一歩手前まで赤くして恥ずかしがっている。
もう既に惚れてしまい、リューナさんから目が離せない。
そして頼んだ料理が続々と運ばれてくる中、それらを食べながらリューナさんは現在の生活を報告しながら彼氏の良さを説明してくれる。
別に惚気ってワケでも無く、俺では無く彼氏を選んでしまった理由をライデンに説明しているって感じだ。
「……成る程、ジージョさんじゃ勝てねーや(笑) 貴女の選択は間違いないっすね! 流石は天才だ」
「お、おいおい……先刻までは俺の味方だったじゃないかぁ」
急な掌返しに戯けて文句を言うも、俺の事を気にする事無く追加で頼んだ“フィンタメロン”をリューナさんにお酌するライデン。もうメロメロじゃねーか!?
「でも知ってますかリューナさん……ジージョさんは貴女にフラれた後は本当に酷い状態だったんですよぉ」
「お、おい! な、何もリューナに言う事は無いだろ!」
「その日の夜も慰める為に飯を食いに一緒に行ったんですけど『おっ、俺は……彼女の幸せの為に身を引いたんだぁ!!』って終始喚いちゃって(笑)」
「これはこれは……その節は大変ご迷惑をおかけ致しました」
ライデンの話を聞き真面目な顔で俺に頭を下げて謝罪してくるリューナさん……意地悪な所も可愛い。
そして暫くの間、俺等も近況報告の様な愚痴を喋って、互いの立場を笑い合っている。
こういうくだらない会話ってのがまた楽しいんだよね。
「そう言えば……私と夫と貴方の3人で、夜中までこうやってくだらない事をダベってたわよね……楽しかったわぁ」
そんなノスタルジックな会話をしていても時は勝手に経過して行き、気が付けば既に22時になろうとしている。
明日は土曜日で休みと言う事もあり、気にせず別の店に行く……所謂“ハシゴ”をしようと提案が出たのだけど、リューナさんはキャンセル。
彼氏が居る身としては独身男性二人と夜遅くまで飲み歩くのは拙い……と。
確かにその通りである。
しかも相手は俺……元彼であるのだから、変な噂が立ち上がっても文句を言えない。
(グランバニア王都:中央地区)
店を出て近くの魔道人員輸送車停まで歩く3人。
酔いで火照った身体に真冬の匂いは心地よく……大好きだったリューナさんの横顔から目が離せない。
「あぁ……ラッセル君が羨ましい。君の横顔を何時でも好きなだけ眺めてられる……」
思わず呟いた一言だったが、彼女の耳には十分
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ