言葉を知らぬはモノ知らず?
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両親の方を少しだけ放置させてもらって、私はまだ仕事中のお二人に新しくコーヒーを入れ直し提供。
その間も険悪な義両親は、それ程大声ではないがブツブツと口論を止めてくれない。
こんなにも早く帰ってきた訳を理解出来てしまった夫は、気分転換のつもりだったのか何があったのかを訊いてしまう。
そうなると止まらないのが夫婦喧嘩!
お義母さまの『個人的趣味にだけ留めて欲しい』って希望を嫌がり、『やっと何が必要なのかが解ったんだ! 昔からの夢を奪わないでくれ!』と少年の心を全開でアピール!
なので話は平行線。
何一つ進まず……何一つ交わる事の無い不毛な口論大会。
夫は夫で、やはりお義母さま贔屓な為、不公平さから余計にお義父さまも意固地になる。
そして出てきた一言……
「幼い頃のお前は、俺が話す物語を聞いて喜んでたじゃないか! そして、その物語にお前風味の挿絵を描いてくれてた……嬉しかったんだぜ。何だか一つの作品をお前と一緒に作り上げたみたいで!」
私はこの時衝撃を受けた!
幼い頃に近所のお兄ちゃんの拙い言葉を真剣に聞いてそれを絵にする……
まさに今やっている事ではないだろうか?
私は興奮気味にそれを告げる。
すると早く仕事に戻りたいと思っていたであろう常々情報社のキャサリーンさんが……
「それって……原作者と漫画家の二人体制で、分業して一つの作品を完成させるって事ですよね?」
と明確にしてくれる。
その通りだ。
まるで私とお父さんの様に、新製品のアイデアを出してくれるお父さんが居て、それを製品化する事の出来る私が居る。
何だかそれって良い感じ?
私は嬉しくなって、「義親子で分業漫画を描けたら、凄く素敵ですよね」と不用意な発言をしてしまった……
すると止まらなくなるのはピュアハートな持ち主のお義父さま!
昔からの夢である事と、新しい義娘からの後押し(私的には後押ししてないけど、してもらったと言い張り出した(困惑))で俄然小説家への道を進もうと意欲的になる。
だけどお義母さまからの現実的な苦情が……
「私達の生活は如何するのよ!? 『学校に通い直す』だの『勉強をし直す』だの言ってるけど、その資金は何処にあるのよ!? 最近生活に余裕が出てきたのは、息子が稼いでくれてるからなだけで、アナタも働かなきゃ金銭面的に解放されてる訳じゃ無いのよ!」
「じゃ、じゃぁ……働きながら、勉強する。そ、それなら
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