暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその六十八

[8]前話 [2]次話
「そして二十世紀に」
「オスマン帝国が倒れてな」
「以後カリフは存在していませんでしたが」
「千数百年の時を経てだな」
「復活することになります」
「イスラム世界の支配者にしてか」
「アッラーの代理人が」
 その存在がというのだ。
「そうなります」
「そしてその皇帝は人類世界で三人目の皇帝か」
「日本の天皇、エチオピア皇帝の次に」
「そうなるな」
「ローマ教皇やエウロパ総統も皇帝の様に言われる時もありますが」
「そうだな」
 マールボロも否定しなかった。
「実際にローマ教皇には皇帝の礼が取られるしな」
「連合でもエウロパでも」
「そしてエウロパ総統はエウロパ、欧州の国家元首だ」
「ローマ帝国の後継者であるエウロパの国家元首であるので」
 これはエウロパの全身であるEUがそもそもローマ帝国を念頭に置いていたからだ、ローマ帝国とは欧州そのものという考えが存在しているのだ。
「ですから」
「世襲ではなくな」
「選挙で選ばれますが」
「しかしだ」
「はい、そもろもローマ皇帝も世襲かというと」
「怪しかったな」
「血統はよく変わりました」
 これは歴史にある通りだ。
「推戴されて即位した皇帝も多かったです」
「そうだったな」
「あの国の歴史の中では」
「皇帝といってもだ」
 ローマ帝国の皇帝はだ。
「血筋でなるかというとな」
「ある程度はそうでしたが」
「しかしそれ以上にな」
「実力や運でなりましたね」
「そうだった」
「左様でしたね」
「神聖ローマ帝国になるとな」
 一応はローマ帝国の後継国家となっている、この場合は西ローマ帝国東西に分裂したローマ帝国のそちらとされている。
「ハプスブルク家の世襲になる前はだ」
「七人の選帝侯が選んでいました」
「そして世襲になってからも」
 ハプスブルク家のそれにだ。
「それからもだ」
「形式的には選帝侯が存在していて」
「彼等の選挙でだ」
「なっていましたね」
「だからハプスブルク家の世襲の中でもだ」
 これは十九世紀の神聖ローマ帝国消滅まで続いた。
「ヴィッテルスバッハ家が帝位に就いたこともあった」
「オーストリア継承戦争の後で」
「そうもなった」
 ただしこれは短い間のことだった。
「それを見るとだ」
「ローマ皇帝は世襲ではなかった」
「だからエウロパ総統もな」
「権限も強いですし」
「皇帝ともだ」
 その存在だというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ