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神々の塔
第七十三話 狼の遠吠えその四

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「シートンさんと戦ってもな」
「シートンさんを襲わんかったな」
「仲間もな」
「そやったな」
「家畜は襲ってもな」
 そうしてもというのだ。
「毒入りの餌を見破ってもな」
「ああ、それ漫画でもあったわ」
 毒入りの餌を見破ったと言われてだ、芥川は言った。
「あの作品漫画にした」
「日本の漫画やな」
「昭和の頃学研さんから出てたな」
「ああ、あのお勉強に強い」
「それでいてアイドルの写真集とかは過激な」
「あの会社が出してたんか」
「そこで描かれてたんや」 
 そうだったというのだ。
「その場面がな」
「それで今言うたんやな」
「そや、しかしな」
 それでもというのだった。
「ロボも確かにな」
「人襲ってへんな」
「頭はええけどな」
「熊が人を襲うことはある」
 トウェインはこう言った。
「こっちの世界でもな」
「それで強いな」
「そや、けどな」
「自分が見てもやな」
「政で農業しててもな」
 それでもというのだ。
「やっぱりな」
「獣害は付きものやな」
「そしてな」
「畑を荒らす獣を食べてくれるさかい」
「狼は有り難い、家畜を襲うのはな」
 このことについてはというと。
「もう柵で囲んでな」
「牧場をな」
「そしてな」
「犬を周りに置いて」
「人も見回らせてな」
 そうしてというのだ。
「追い払う」
「それでええな」
「羊や豚を襲うなら」
「牧場を柵で囲うな」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「守る、最近は柵だけやなくて」
「鉄条網も敷くな」
「そこに電流流したら完璧や」
「狼は近寄らへん」
「他の猛獣もな、むしろライオンや虎と違って」
 どちらもネコ科の猛獣である。
「人を滅多に襲わんから」
「有り難いな」
「まあライオンとか虎も案外な」
「人は襲わへんな」
「むしろもっと力が強かったり空を飛ぶ」
 そうしたというのだ。
「大型の肉食モンスターの方がな」
「問題やな」
「人の文明は自然の一部でしかあらへん」
 トウェインは強い言葉で言った。
「そやからな」
「獣やモンスターもな」
「ほんまな」
「狼より怖いな」
「モンスターは人も積極的に襲うしな」 
 獣と違ってというのだ。
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