第七十三話 狼の遠吠えその三
[8]前話 [2]次話
「思うわ」
「そういうことやね」
「狼男のお話とかも聞くしな」
「人を襲って食べる」
「こっちの世界やと狼人でな」
「人の種族の一つやね」
綾乃も言った。
「星の子でもおるし」
「そやけどな」
「起きた世界やと怖いモンスターやし」
「狼への怖いイメージになったな」
「そやけど人を襲うなら」
綾乃はそれならと言った。
「家畜にならへんし」
「犬にならへんからな」
「そうやしね」
「日本の犬って狼からなったってわかる種類多いし」
「秋田犬とか柴犬とかな」
「甲斐犬もやし」
「普通に狼犬おるやろ」
こう言ったのはメルヴィルだった。
「日本にはおらんけどな」
「それな」
芥川も応えた。
「昔はおったけどな」
「今はおらんな」
「ニホンオオカミ自体絶滅したって思われてたしな」
「そやったしな」
「ドリトル先生が見付けるまでな」
「奈良県と和歌山県の境でな」
「あそこは昔から噂があった」
ニホンオオカミがまだ生き残っているとだ、九州にもそうした話があり北海道でエゾオオカミを見たという人もいる。
「それでな」
「ドリトル先生が発見しはったな」
「そや、それでもな」
「ニホンオオカミは稀少でな」
「これから増やしてくな」
「そんな状況やからな」
だからだというのだ。
「狼犬はな」
「日本ではやな」
「とてもな」
それこそというのだ。
「おらんわ」
「そやな」
「けどそっちではおるな」
「ああ、起きた世界でもな」
メルヴィルはその通りだと答えた。
「おるで」
「そやな」
「それで家でも飼ってるわ」
それが可能な州もアメリカには存在するのだ。
「そやからな」
「狼は人を襲うか」
「相当餓えてへんとな」
そうでなければというのだ。
「ないわ」
「それでやな」
「狼犬もな」
「買われてるんやな」
「猛獣と言ってもな」
そういった生きものに区分されてもというのだ。
「狼はそうした生きものや」
「人自体に害は与えんな」
「ロボもそやったやろ」
メルヴィルはシートン動物記に出て来るこの狼の話をした、シートンはこの誇り高い狼の写真も残している。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ