第三十一章
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「別にね」
「総統さん小さくないわね」
かな恵も言った。
「一七〇以上あったら」
「というか何でそんな話になったのか」
富美子は首を傾げさせて言った。
「総統さんが小さいって」
「それね、ナポレオンさんと同じで」
一華は彼のことも話した。
「周りがね」
「大きかったの」
「どっちも周りは親衛隊って言われる人達がいて」
「警護していたのね」
「そうだったけれど」
尚ナポレオンの親衛隊は軍の精鋭を集めた者達だったがヒトラーの場合はナチス党員から構成された党の軍隊であった。
「どっちも背が高くないと」
「入隊出来なかったのね」
「ナポレオンさんの方は一七八位で」
入隊の採用基準はというのだ。
「総統さんは一八〇以上」
「そうした人達が周りにいたら」
「どうしてもね」
ナポレオンもヒトラーもというのだ。
「比較でね」
「小さかったのね」
「そう見えたのよ」
「そういうことね」
「周りが大きいなら」
それならとだ、一華は話した。
「普通の人もね」
「小さいのね」
「だから猪木さんも」
この人物もというのだ。
「私達から見たら大きくても」
「プロレスラーの人達の間だと」
「小さいのよ」
「そうなるのね」
「背はね」
こちらのことはというのだ。
「本当にね」
「比較ね」
「周りがどうかだけで」
「変わるのね」
「私は今の日本だと小柄で」
そうであってというのだ。
「昔の日本じゃ大きいし」
「大人の女の人だと」
「男の人並で」
そこまでの体格でというのだ。
「今も他の国だと」
「国によっては」
「大きいのよ」
「そうなのね」
「だから本来は気にしないけれど」
「小さいってだけで選ばれると」
「いい気はしないわ」
どうしてもというのだ。
「それならね」
「そういうことね」
「動きとか見て欲しいわ」
こう言うのだった。
「本当にね」
「あんた動き速いしね」
「そのこともね」
「そうね、けれど騎手ってね」
騎馬戦のとだ、留奈は言った。
「やっぱり小さくないと」
「馬になる人達が大変ね」
「大きいとその分重いから」
体重があるからだというのだ。
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