第百三十四話 終わりに近付いてその五
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「もうね」
「かなり高いわね」
「そうよね」
一華はまさにと応えた。
「ナポレオンさんは一六四か一六七位だったそうだし」
「当時は高い方ね」
「むしろね。小柄って言われてたけれど」
「実はそうでもなかったのね」
「周りの人が大きかったから」
側近達もそうであり彼が直率する近衛兵や親衛隊の採用基準は身長一七七か一七八からであったという。
「それでね」
「小さく見えただけね」
「そうみたいよ、あのチョビ髭のおじさんも」
「ああ、ドイツの」
「写真とか映像だと小さくないでしょ」
「全然ね」
かな恵もまさにと答えた。
「見えないわ」
「あの人一七二か一七五あって」
「やっぱり全然小さくないわね」
「当時のドイツ人の平均だったらしいわ」
「そうだったのね」
「むしろ背が高い方だったってね」
その様にというのだ。
「言ってよかったみたいよ」
「そのことも意外ね」
「道理でね」
一華はその人物についてさらに話した。
「写真とか映像でね」
「全然小さく見えなかった筈ね」
「観ていて」
そうしてというのだ。
「全然ね」
「小さくなくて」
「ずっと変に思ってたのよ」
そうだったというのだ。
「写真観てもね」
「小さくなくて」
「髭の小男って呼ばれてたのに」
ヒトラーが裏で言われていたという言葉だ、兎角ヒトラーは小男であったと長い間言われてきたのである。
「それでもね」
「全然小さく見えなくて」
「むしろね」
小柄どころかというのだ。
「背が高い方にね」
「見えたのね」
「ブーツを履いていて」
そうであってというのだ。
「それがシークレットでもね」
「それを抜いても高くて」
「そう見えるから」
だからだというのだ。
「それでね」
「おかしいって思ってたのね」
「それで実際調べたら」
「ヒトラーそれだけあったのね」
「もう全然ね」
それこそというのだ。
「当時のドイツでもね」
「小さくなかったのね」
「何でもゲーリングさんが」
ナチスのナンバーツーで航空相だった彼がというのだ。
「一七八で」
「あまり変わらないわね」
かな恵も話を聞いて言った。
「総統さんと」
「そうよね」
「じゃあ総統さんは」
「全然ね」
「小さくなかったのね」
「多分今でもね」
この時代でもというのだ。
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