第百三十四話 終わりに近付いてその三
[8]前話 [2]次話
「大きかったわね、あの人」
「かなりね」
「けれどね」
「猪木さんが小さかったの」
「プロレスだとね」
「信じられないわね」
「そうよね」
「何かね」
理虹も言ってきた。
「大きい小さいってあまりね」
「気にすることじゃないかもね」
「そうかもね」
一華に述べた。
「案外」
「そうかもね、だったら私も」
「小さいってだけで騎手に選ばれたのが嫌でも」
「気にすることないわね」
「ええ、それに小さくて困ったことある?」
「そう言われるとないわ」
一華は過去を振り返って答えた。
「別にね」
「そうなのね」
「そう、ただね」
「ただ?」
「プロレスってね」
理虹はこの世界のことを話した。
「大きい人って凄いわよね」
「滅茶苦茶大きいわよね」
一華もこう言った。
「本当にね」
「馬場さんとかアンドレさんとかね」
「ジャイアント馬場さんに」
「アンドレ=ザ=ジャアントさんも」
この二人はというのだ。
「凄かったのよね」
「馬場さん二メートル超えていて」
一華はこの人の話からした。
「アンドレさんはもっとだったから」
「人間山脈よね」
「そう言っていい位ね」
「大きくて」
「お亡くなりになったけれど」
「それでもね」
理虹は話した。
「二メートル三十あって」
「物凄いわね」
「そこまで大きくて」
その為にというのだ。
「棺桶にもね」
「入りきらなかったの」
「体重は二百六十キロあったし」
「私の六人分以上あるわよ」
一華はその体重に驚いた、人間山脈と言われたのは伊達ではなくまさに巨人と言っていい体格であったのだ。
「二百六十キロって」
「私でもよ」
理虹もまさにと答えた。
「そこまで大きいとね」
「そうよね」
「それで大き過ぎて」
その為にというのだ。
「棺桶にもね」
「入りきれなかったの」
「だから身体を二つに折って」
そうしてというのだ。
「入れたらしいわよ」
「そうなのね」
「ほら、あっち土葬でしょ」
理虹はこのことも話した。
「キリスト教は」
「イスラム教もよね」
「だから早過ぎた埋葬も問題だったし」
葬られてから棺桶の中で蘇生するのだ。それにより生じた悲劇は医学が進歩しておらず死亡確認が未熟だった頃によく起こったという。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ