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ポケットモンスター対RPG
第14話:ダンジョンとは?
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トミューティヒから聴いた経験値稼ぎを名目とした雑魚狩りの実態に、アムも医師も完全に呆れた。
「何それ?わた、んんー!モンスターは人間の餌かい?!」
「……なんて自分勝手な……魔王軍のせいで生活が困窮したり命を失った者達の事を考えた事が無いのか!?その者達は!」
それを聴いた青年が怒鳴った。
「なら……なおの事アンタは謝るな!」
「え?」
「それって、勇者のレベルが上がるのを待てない人間がいるって事だろ?待たされる側の立場になって言ってくれ!」
それに対し、グートミューティヒはだんまりするしかなかった。
グートミューティヒとアムが向かうは、山賊の頭領に化けたサイクロプスのメスに苦しめられたあの国。
「急にわしに逢いたいとの事だが、いったい何が遭った?」
「無礼を承知で申し上げます。もう1度だけ僕のワガママに付き合って頂きたい」
「と言うと?」
アムが勇者マドノが率いる勇者一行の悪行を色々な演技を交えて説明した。
「何と……では、彼らにとって我が国を苦しめるモンスターや山賊は、今後手に入れる予定の経験値としか見ていないと言うのか?」
「そこで、無理を承知で申し上げます。星空の勇者の居場所をお教え願いたい」
「彼らと戦うと言うのか?」
「マドノ達が行っている経験値稼ぎを名目とした雑魚狩りは常軌を逸しています。アレを野放しにすれば、いずれ必ずポケモンを死滅させます」
マドノの乱暴さに顔をしかめる王様。
「それに、奴らに叩きのめされた薬草狩りの青年については、僕にも責任の一端があります」
「何故じゃ?」
「僕がお人好しを気取って行く先々でボスモンスターを倒した事で、ダンジョンからモンスターが激減して経験値稼ぎの場を奪う形になってしまいました」
「つまり、モンスターからダンジョンを奪取したと言う事じゃろ?良い事じゃないのか?」
「ですが、モンスターが激減すれば経験値稼ぎを目的とした雑魚狩りが困難になってしまいます。僕がそこまで考えて魔王軍と戦っていれば……」
王様は呆れ果てた。
「なんじゃそれは!?ますます何の為に戦っておるのかが解らん」
そして、近くにいた衛兵が王様の代わりに質問した。
「して、もしグートミューティヒ殿がその勇者の面汚しであるマドノを倒したとして、その後の魔王軍はどうする心算で?」
グートミューティヒは真剣な顔をしながら決意をもって答えた。
「マドノを倒してしまった罪は、僕が魔王と戦う事で晴らします!」
「君がかね?」
「僕は元々、ポケモンの待遇改善と僕達ポケモントレーナーの地位向上の為に魔王軍と戦う事を誓って旅をしています!だからこそ、私利私欲の為にポケモンを虐殺する者を許す訳にはいかないのです!」
相変わらずなグートミューティヒのお人好しな性格に、マドノの悪行とは別の意味で呆れる王様。

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