第八十六部第五章 傍目に見つつその六十六
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「これはおそらくですが」
「それも起きられぬ位にだな」
「采配を執れない位に」
「シャイターン主席だからこそアッディーン大統領に対せたな」
「互角に、そのシャイターン主席が采配を執れなくなり」
「今の状況か」
「やはり、それでも国境から五日で二つ目の防衛ラインを破るなぞ」
モンサルヴァートは信じられないという声で述べた。
「流石と言うべきか」
「アッディーン大統領か」
「ただ攻撃が凄まじいだけでなく」
「進撃の速さもな」
「驚くべきです」
「そうだな、我が軍でもな」
マールボロはエウロパ軍の話もした。
「とてもな」
「あそこまでの速さはです」
「無理だな」
「はい」
まさにとだ、モンサルヴァートも答えた。
「常識外とまで言っていいです」
「ワープにワープを重ねてな」
「それが巧みなので」
それでというのだ。
「あそこまでの速さです」
「ワープ先の宙形もよく把握してな」
そしてというのだ。
「効果的にワープをしているな」
「サハラの軍艦は速いです」
速度については昔から定評がある、兎に角サハラ各国の軍艦はかなりの速度を誇りそれが特徴であるのだ。
「超光速といってもです」
「その中でもな」
「かなりの速度で動きます」
「エウロパ軍の軍艦よりも高速だ」
「騎兵や戦車に例えますと」
ここでモンサルヴァートはこう言った。
「我々は重騎兵、重戦車であり」
「彼等は軽騎兵、軽戦車だな」
「それだけに速度はです」
「我々より速いな」
「はい、ですが」
「そのことを考慮してもな」
「桁外れの速さです」
今のオムダーマン軍の進軍はというのだ。
「これまでの彼等の倍位です」
「それは休まず進むと共にな」
「ワープも効果的に使用しているので」
その為にというのだ。
「あそこまでの速さです」
「そういうことだな」
「はい、そして」
「もうティムールに防衛ラインはない」
「後はサマルカンドまで、です」
ティムールの首都であるこの星系までというのだ。
「確かな守りはなく」
「進まれるだけだな」
「実際にティムール軍はサマルカンドまで撤退しています」
彼等もそう動いているというのだ。
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