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夢幻水滸伝
第三百五十六話 東と西その十二

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「粗末な一生はな」
「送らへんことですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「わい等もな」
「こっちの世界でも起きた世界でも」
「両方の世界でな」
「いや、自分のことしか考えてへんと」 
 エリカは眉を曇らせて言って来た。
「どうもです」
「そうした奴になるな」
「そうみたいですね」
「それはな」
「自分のことしか考えへんで」
「しかも悪いことばかりしてるとな」 
 そうした人生を送ると、とだ。トウェインはエリカに対しても真剣な顔で話した。言葉も実に神妙なものだった。
「害にしかならへんで」
「死ねばええとかですね」
「言われるわ」
「そうですね」
「さっき恋愛の時に話した」
 その時の話をだ、トウェインはここで再び行った。
「裏切った二人な」
「今は陸上部の嫌われ者ですね」
「ああ、この二人もな」
「自分のことしか考えてへんですね」
「そやから平気でや」
「裏切れましたね」
「ちょっと周りに言われてな」
 告白されて振った女の友人達からというのだ。
「それでや」
「裏切るなんて」
「ほんま自分のことしかな」
「考えてへんですね」
「それでな」 
 そうでありというのだ。
「そうした性根を皆見てな」
「嫌ってますね」
「そや、自分のことしか考えへんで」
 そうであってというのだ。
「平気で人を裏切れる」
「友達もですね」
「それも昨日までや」
「友達と言っていて」
「そう出来るんや」
「それを見て聞いたら」
「誰がそんな奴信用するか」
 トウェインは忌々し気に言った。
「何処まで自分のことしか考えてへんか」
「そうした風になりますね」
「とことん自己中やないとな」 
 自分のことしか考えないと、というのだ。
「そんなこと出来へんわ」
「絶対に」
「そう考えるとな」
 まさにというのだ。
「この二人は絶対に信用したらあかん連中で」
「友達に持ったらあかんですね」
「そや、嫌われてや」
 そうなってというのだ。
「当然や」
「あの二人が死んでも」
「少なくとも連中のこのことを知ってたらな」
「悲しまへんですね」
「最悪ざま見ろとかな」
 死んだその時にというのだ。
「思われるわ」
「ざま見ろですね」
「そや」
 まさにというのだ。
「そこまでや」
「思われますか」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
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