激闘編
第九十二話 再侵攻
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きないのは、辺境は在地領主達も含め自分達が食べて行くのに精一杯だからなのです。そういう事情を考慮せずに帝国政府が彼等を罰したらどうなるか」
「敵の敵は味方…同盟を頼る者達が出るじゃろう。そうなると帝国に対する反乱が起きかねん。じゃが処罰をせずに黙認しても、辺境は同盟色に染まっていく。どちらにせよ帝国政府としては頭の痛い事じゃな」
「出来る事ならこの計画を実施した後の出兵が望ましいと思うのです。上手くいけば救援を求める帝国辺境を助ける為に…という大義名分を掲げる事が出来ます。帝国軍の対応も変わって来るでしょう。ただ出兵する、では戦う兵士達を無駄に死地に追いやるだけです」
「貴官はあの出兵案が実施されると思うかね?」
「おそらく実施されるでしょう。勝利を得たなら支持率アップは間違いないでしょうから…ただ反対、で何もしないのでは新任の副司令長官として格好がつきませんし…高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変に対処する、という訳です」
「ははは、行き当たりばったりの様に聞こえるがの」
「違いありません。ですが、軍事作戦なんて古今どれもがただの思いつきですよ。そうではありませんか」
「そうじゃな…思いつきの行き当たりばったりを正当化する為にそれらしい計画を立てる…どうせなら意味のある戦いをしたいからのう。早速本部長に相談してみるか」
「よろしくお願いします」
私もファイフェル少佐も、お二人の話を固唾を飲んで聞いていた。ビュコック長官も驚いていたけど、ファイフェル少佐の驚きはそれ以上だっただろう。辺境とはいえ帝国領土に住む人達を援助するというのだから…本当に今まで以上に忙しくなりそう…。
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