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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第九十二話 再侵攻
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長の推薦によるものです」
「嫌な言い方をするね、本部長」
「そういう訳では…」
「私は人事権を玩具にしている訳ではないよ。実績、序列を考慮した結果だ。有難がるのは本人達の勝手だがね…だが、こんな事なら推薦するんじゃなかったよ。さてウィンチェスター君、どうするかね?」
「何故私にお尋ねになるのですか?」
「シトレ君から、面倒な事は君に任せろと言われているのでね」
「シトレ閣下が、ですか?」
「そうだよ。君を副司令長官に選んだのはその為だと私は聞いているがね。そうだろう?本部長」
「…平たく言えばそうなります」
何てこったい。そういう覚悟はしてたけど、原作の様な出兵案が出るとはね…しかし、本当に勝てると思っているんだろうか…動員する艦隊は十個、一挙にヴィーレンシュタインまで押し出して主要航路上のヴィーレンシュタイン星系を占拠する。そうすれば何れはボーデン、フォルゲンの主要な有人星系は枯れ落ち、同盟に救いの手を求めるに違いない。彼等を救う事で、ますます帝国の支配体制にヒビが入る事は間違いない…出兵案の書類に記されている内容をまとめるとこういう事になる。言っている事はまともなんだけどな、そう上手く行くかどうか…。
「言っている事はまともですが、ただ出兵するのでは成功の可能性は低いでしょう。此方の動員する艦隊のほとんどは再編成中の艦隊ですし、その艦隊が出撃可能になる頃には帝国も昨年の戦いの損害もとっくに回復しているでしょう。帝国軍は昨年の戦いを大した被害を受ける事のないまま切り上げました。という事は練度の高い艦隊がそのまま存在している訳です。更に、帝国軍にも新規編成中の艦隊が存在しています、我々が攻めて行けば彼等も出て来るでしょうし、おそらく新規編成の艦隊はかなりの精鋭でしょう。こちらが十個艦隊動員したとしても、勝てるとは思えません」
「過大評価、という訳ではなさそうだね」
「はい。昨年の戦いで活躍した、帝国のミューゼル中将…今は大将ですが、新任の大将ながら、帝国軍宇宙艦隊の副司令長官に抜擢されました。我々が攻めれば…帝国軍は当然迎撃に出る訳ですが、出て来るのはそのミューゼル大将が率いる新規編成の艦隊達でしょう。その艦隊司令官達はミューゼル大将の子飼いの優秀な者達です。フェザーンに派遣している私の参謀からの情報がそれを裏付けています」
 
 ラインハルト本人だろ、ミッターマイヤー、ロイエンタール、メックリンガーにケスラー…レギュラーメンバーが五個艦隊…全く想像したくない。これにミュッケンベルガーの率いる十個艦隊…もっと想像したくない。帝国の国内情勢を考えれば、その十個艦隊まるまる出て来る事はないだろうが、それでも半数の五個艦隊は出て来るだろう、という事は十個艦隊が迎撃に出て来る可能性がある、詰みだ…。
「委員長、もし出兵案が実施されるとし
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