激闘編
第九十二話 再侵攻
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ルグランジュ…シトレ親父が本部長だった時には大人しくしていた三人だ。トリューニヒトが序列がどうとか言うから、ムーアもルグランジュもとうとう艦隊司令官になっちまった…でもなんで最高幕僚会議名で出兵案を出すとはね…。この最高幕僚会議という組織は原作でもアニメ劇中でもその存在がクローズアップされた事がない。ヤンさんがイゼルローン要塞の司令官に任じられた時に最高幕僚会議議員という肩書きも一緒に出て来るくらいで、何しているかよく分からん。おそらく将官連中の人材プールみたいな扱いなんだろう。よく分からん組織だから、どうせなら国防委員長直属の諮問機関にしてしまえ、と以前に進言したことがある。シトレ親父にはお前がやれと言われたっけなあ…軍組織をいじる事になるから書類手続が面倒で結局やらなかったけど……。
トリューニヒトは空になったグラスにジンジャーエールを注ぐと、一気に飲み干した。
「彼等は先日の戦いが私や政権の評価に傷が付くと言って私を煽って来たよ。あの戦いは帝国の都合で行われた物だし、アムリッツァは防衛出来ているのだから、私としては痛痒を感じないのだが…困った事に現政権の支持率は下落した。慌てた最高評議会議長サンフォード氏は支持率回復の為に彼等の企みに乗ろうとしている。私が相手にしないものだから、彼等は議長に直接出兵案を持ち込んだのだ。アムリッツァが上手くいっているのだから、ヴィーレンシュタインまで押し出せばボーデン、フォルゲンも後背地化出来ると言ってな」
トリューニヒトの言っている事は事実だった。現に戦いの後のインタビューでもトリューニヒトは、アムリッツァが守られたのだからなんら問題はない、そう答えていた。だけど同盟市民は納得しなかった。市民はあの戦いを敗けだと見ている。それが政権の支持率低下に繋がっていた。
「ウィンチェスター君、彼等の意見をどう思う?」
俺はまだ食べてるんだよ!大体だな、本部長に質問する内容だろうこれは…。
「…あながち間違いではありませんね」
俺を除く三人の動きが止まる。
「間違い、ではないか」
トリューニヒトはそう言って苦笑しているけど、軍事的に間違いではないのは本当だ。
「ですが、彼等の出兵案はともかく、国防委員長の許可もなく議長に出兵案を持ち込んだのですから処罰すればいいじゃありませんか。明らかに越権行為です。命令系統からの逸脱ですよこれは」
トリューニヒトはキョトンとした顔をしている…俺変な事を言ったかな?至極当たり前の事を言ったつもりなんだが…。
「グリーンヒル本部長、私は何か変な事でも言いましたか?」
「ウィンチェスター提督、忘れているのか?…まさか知らない訳じゃないだろうね?」
「何をです?」
「最高幕僚会議は最高評議会の諮問機関だ。そこに所属する将官達が最高評議会議長に何か提案するのは何も
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