激闘編
第九十二話 再侵攻
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け入れざるを得なかった、という事だろう…。
「小官もその通りだと思うのですが…」
「まあ、周りが何か言うと益々気にするだろうからね。折を見て私も話をしてみるよ」
自分の艦隊が大損害を受けて、転属した先は同盟軍の誇る若き英雄の参謀長職…私でも嫌だ…へこむ。参謀長、いい人なんだけど…しばらくは出撃が無い事を祈るしかない…。
19:00
ハイネセンポリス、シルバーブリッジ三番街、
エリカ・K・ウィンチェスター
「エリカ、今日はお疲れ様」
「貴方もね」
実家で行われた軍広報部の取材も終わって、やっと家に戻って来た。パパもママも夕食を一緒にしたかったみたいだけど、断った。だって…ヤマト、本当に疲れてるんだもの。顔にはあまり出さないけど、色んなメディアの取材を受け過ぎて、いい顔するのがウンザリみたい…今日は軍の広報誌だったからまだよかったけど、TVの番組に一緒に出演した時は本当にひどかった。大筋では間違っていないのだけど、極端に誇張の多い再現ドラマを見せられて感想を訊かれた。TV番組だよ?ここは嘘です、事実と違います、なんて言えないじゃない?ヤマトも顔が少しひきつってたし…。
「どうしたんだい?」
「ちょっと飲みたいなと思って。どうかしら?」
「いいね。よし、今日は俺が何か作るよ」
「え?ホント?」
「たまにはね」
ウチからこそっと持って来たワインを出して……。あたしがヤマトを好きになったのは決して将来性を見越して…とかじゃない。図書室の窓際で本を読む姿が素敵だったから。すごく自然で、目が合うと必ず返してくれる笑顔が素敵だったから。あたしと同じ様にヤマトの事を素敵って言ってる同期の女子は多かった。誰にも渡したくなかった、だから…。
「ほい」
「早っ!」
「パパっとね。久しぶりだからね、味は分からないよ?」
スズキのアクアパッツァに…これは五目ヤキソバ?そして…ミソ肉炒め?
「あとは…今から春巻を揚げるから…ああ、食べてていいよ。乾杯」
偉くなくてもいい、英雄なんかじゃなくていい。ただ側にいて欲しい。
「乾杯……愛してるわ、ヤマト」
「どうしたの、急に」
「ちょっと言いたくなっただけ。愛してる」
1月20日19:15
ハイネセンポリス、トリューニヒト別邸
ヤマト・ウィンチェスター
今日はグリーンヒル本部長、ビュコック司令長官と共にトリューニヒトの別宅にお呼ばれしている。用意されたコーヒーをすすりながら、ビュコック爺さんが口を開いた。
「どうかねウィンチェスター提督、取材攻勢は」
「こう言っては何ですが、帝国軍の方がマシです。まあ、あらかた申込みのあった取材や番組出演は終わりましたから、広報部には今後の取材は必要最低限にしてくれと言いました」
「帝国軍の方がまし
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