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八条学園騒動記
第七百五十九話 連合市民の認識その六

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「連合がそうした国なら」
「それならな」
「やっぱり平等でね」
「自由でないとな」 
 そうした国家でなければというのだ。
「とてもな」
「いい国とは言えないわ」
「それが連合の考えですね」
 セーラは二人にも応えた。
「絶対と言っていい」
「ああ、そこはな」 
「もうね」
 二人も確かにと応えた。
「絶対よ」
「連合ではな」
「そのことは私も見てです」
「わかってくれているか」
「そうなのね」
「はい」
 穏やかな声で答えた。
「そのつもりです」
「それは有り難いな」
「連合がそうした国だってわかってくれて」
「様々な問題はあります」
 連合の中にというのだ。
「ですが自由と平等の国で」
「階級がない」
「そして寛容な国ね」
「そうです、宗教での抗争もないですね」
「この前何処かの国で神父さんと牧師さんが殴り合ったらしいな」
「ニカラグアだった?」
 二人は宗教での抗争と聞いてこうした話をした。
「確かね」
「宗教の論争で言い合いになってな」
「果ては殴り合いになったのよね」
「感情的になってな」
「それ位で済むのですから」
 だからだとだ、セーラは話した。
「いいかと。かつての欧州では」
「宗派の違い位でな」
「殺し合ったのよね」
「カトリックかプロテスタントかで」
「徹底的にね」
 二人は欧州の祖の歴史のことを話した。
「そんなの何でもないでしょ」
「同じキリスト教だろ」
「あの時の欧州他の宗教も攻撃してたわね」
「やたら残虐にな」
 これを連合では欧州ひいてはその欧州の現在であるエウロパの愚劣さと残虐さの証拠の一つとしている。
「十字軍や異端審問でな」
「植民地でもね」
「本当にあいつ等馬鹿だな」
「そんなことで残虐に殺し合うなんてね」
「そうしたこともないので」
 セーラは二人のエウロパへの攻撃はスルーして応えた、もうそれは連合市民に骨の髄まで至った考えだからだ。
「そのこともです」
「いいことか」
「そうなのね」
「宗教の違いで、です」
 それでというのだ。
「殺し合えば」
「どうにもならないな」
「そうなるわね」
「この学園でも」
 八条学園でもというのだ。
「宗教の違いは何でもないですね」
「別にな」
「何でもないわ」
 二人もまさにと答えた。
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