第七百五十九話 連合市民の認識その二
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「まさにな」
「そのことは否定されないと」
「事実だからな」
それ故にというのだ。
「俺もだ」
「そうですね、ですがそれは」
衝突、連合では常に見られるそれはとだ。セーラは話した。
「人の世そして民主主義においては」
「あることか」
「普通に」
こう言うのだった。
「そうです。万人の万人に対する闘争は」
「ホッブスのリバイアサンだな」
「はい」
セーラはまさにと答えた、イギリスの思想家であり啓蒙思想の先鞭を付けた人物として歴史に名を残している。
「あの本の言葉ですが」
「人間の世界はか」
「そうしたものです、そして民主主義なら」
「それが表に出るな」
「そうです、民主主義とは何か」
「利害が衝突し合うものだな」
「そして話し合い調整もして」
そうしたことも行いというのだ。
「最大多数の最大幸福をです」
「適えるものだな」
「それがです」
まさにというのだ。
「民主主義であり連合はです」
「民主主義ということだな」
「そうです、エウロパでもです」
連合を批判しているこの国でもというのです。
「同じです」
「意見の衝突があるな」
「あの国も民主主義ですので、ですが」
セーラはダンにそれでもと話した。
「あの国は中央集権的色彩が強いですね」
「総統の権限が強いのよね」
エイミーが応えた。
「そうなのよね」
「そうです、その分です」
「衝突が抑えられるの」
「そうです」
まさにというのだ。
「ですが連合は各国の権限が強く各国の政府の権限も」
「エウロパ程強くなくて」
「連合から見ますと」
そうすると、というのだ。
「エウロパは独裁国家ですね」
「ええ、そう思ってるわ」
エイミーはセーラにと答えた。
「私もそうだし連合でね」
「エウロパ総統はそう言われることが多いですね」
「民主的な選挙で代々ヒトラーを選んでるとか」
独裁者の代名詞となっている人物の名前も出すのだった。
「そうもね」
「言われていますね」
「こっちじゃね」
連合ではというのだ。
「総統の権限が滅茶苦茶強いから」
「そうですね、ですが連合では」
「各国の国家元首の権限もね」
「弱いですね」
「独裁嫌いだからね」
連合ではというのだ。
「強権政治もね」
「否定されていますね」
「そうだからね」
そうした国家だからだというのだ。
「衝突も多くなるのね」
「トップの方が強い権限を持って決定するなら」
そうした国家であるならというのだ。
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