第十九章
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「あれもだ」
「スサノオが人間を見る為に仕掛けたことだな」
「我々も少し参加したが」
「浮世さん達についても同じか」
「そうだろうね、ところで浮世英寿」
狩崎は彼のことも話した。
「この名前に聞き覚えはないかな」
「そういえば」
まずは五十嵐が言った。
「売れっ子の俳優さん」
「そうそう、ドラマに映画にCMに引っ張りだこでな」
バイスも言ってきた。
「大人気の」
「特に女の子の」
「そうだったよな、俺っちどれだけ羨ましいって思ったか」
バイスはこうも言った。
「もうな」
「どれだけ思ったかだよね」
「そうだよ」
まさにと五十嵐に話した。
「俺っちだってな」
「その浮世さんがね」
「仮面ライダーでか」
「そしてね」
五十嵐はさらに話した。
「デザイアグランプリにもね」
「参加していたんだな」
「そうだったんだよ」
まさにというのだ。
「そして一旦は」
「終わらせていたんだな」
「そうなんだよ」
「人の記憶を消すのはスサノオの常套手段の一つだよ」
狩崎はこうも話した。
「だからだよ」
「それでなんだ」
「そう、そしてね」
「今の俺達もなんだ」
「そうだよ、おそらくだけれど」
五十嵐にこうも言った。
「我々は記憶を消されていたんだ」
「スサノオに」
「けれど」
それでもというのだ。
「人間を甘くみないことだ」
「俺達を」
「記憶を消されても」
真剣な顔での言葉だった、そこには揺るぎない信念があった。
「それは表面のことでしかない」
「無意識は違う」
「そうだ、今は忘れていても」
デザイアグランプリのことをというのだ。
「それでもだよ」
「実は違う」
「無意識では覚えている」
確かな顔での言葉だった。
「そうなのだよ」
「それなら」
「時が来れば思い出す」
その消された記憶をというのだ。
「必ずな、人間は必要な時にだ」
「そのことを思い出すんだ」
「そうした生きものだ」
狩崎は五十嵐そしてその場にいる仲間達に話した。
「だからだよ」
「その時が来れば思い出して」
「そしてだよ」
「スサノオと戦うんだね」
「そうなる、これは理屈ではない」
「人間かな」
「そうだ」
五十嵐にまさにと答えた。
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