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ハッピークローバー
第百三十三話 創作ダンスの後でその十二

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「初対面で」
「いや、もうそいつケダモノじゃなくてな」
 鳴海はその輪を聞いて心底呆れ返って言った。
「屑だろ」
「人間の屑よね」
「人の考え聞かないで初対面の人にな」
「ケダモノってね」
「無茶苦茶だろ」
「挨拶もしないでね」
「本当にどんな人生送ったらな」
 鳴海は本気で軽蔑を感じて言った。
「そんな品性になるんだよ」
「私達が観てもね」
「高校生の俺達がな」
「酷過ぎるわね」
「小学生でもしねえぞ」
「全然躾出来てないまま大人になったとか」
「碌な親じゃなかったな」
「実際お父さんそっくりだし」 
 その人間性はというのだ。
「口に合わないもの食べたら度なって食器ごと投げるし」
「親父もそうかよ」
「そうなの、いつも偉そうにふんぞり返ってね」
「碌なことしないんだな」
「碌なこと言わないの」
「似た者親子なんだな」
「そうなの」
 かな恵その通りだと話した。
「はっきり言ってね」
「凄いな」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「そんなことがまかり通るの、ケダモノ呼ばわりしても」
「普通一発で告訴だろ」
「美味しいもの出したらね」
「いや、食いもので誤魔化されるかよ」 
 鳴海は即刻否定した。
「初対面の挨拶もしてない人にケダモノ呼ばわりだとな」
「そうなるわよね」
「そんなことばかりかよ」
「登場人物全員短気で野蛮だから」
「女の人もか」
「女の人も短気で無教養で」
 そうであってというのだ、
「日本の経済侵略とかアジア再侵略もね」
「おい、そんなこと言うのかよ」
「そうなの」
「絶対に読んだら駄目だろその漫画」
 鳴海は怒ってかな恵に言った。
「無茶苦茶な漫画だな」
「ただ食べものの知識が酷いだけじゃなくて」
「登場人物も屑しかいなくてか」
「政治的発言もあって」
「運動家みたいなのかよ」
「そうなの」
「すげえひでえ漫画だな」
「だから先生も言ってたの」
「読むと馬鹿になるってか」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「これがね」
「俺もそう思うな」 
 鳴海は本気で言った。
「どんな奴が描いていたんだよ」
「原作付きだけれど」
「じゃあ原作者に問題があるんだな」
「何でも凄く偉そうな文章で」 
 その原作者のそれはというのだ。
「学生運動に参加していて」
「ああ、あれか」
 愚か者共の滑稽な革命ごっこだったそれにとだ、鳴海も頷いた。そして愚か者共はこの『ごっこ』で多くの殺人を含めた犯罪も犯している。
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