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魔術師の娘
第一章
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その時にだというのだ。
「その時からね」
「私が十八の時にって」
「お店のことももっとじっくりとね」
 店は母が開いたのだ。それで経営している店だ。夫の健次郎は会社のサラリーマンをしている、普通の家庭dと言っていい。
 小百合はその店のことをこう唯に言うのだ。
「私の後は小百合ちゃんだからね」
「私がお店を継ぐのね」
「そうよ。小百合ちゃんは私の娘で」
 それにだというのだ。
「弟子だから」
「弟子?」
「十八になればわかるわ」
 ここでも多くを言わなかった。小百合は。
 妖しい笑みを浮かべてこう娘に言うのだった。
「その時にね」
「私がお母さんの娘なのはわかるけれど」
「弟子ってことは?」
「それってどういうこと?」
「お店のものの作り方とか。どうして売れるかとか」
 そうしたことを話す小百合だった。
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