暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその六十二

[8]前話 [2]次話
「それからはだ」
「彼等がマウリアの支配階級ですか」
「そうなる、そしてアウトカースト層の全ての層がカーストの上にあり」
「その下にカーストがある」
「そうなる、宗教的な立場は低いままでもな」
「社会的にはですね」
「高くなる」
 逆にというのだ。
「そうなる」
「随分な違いですね」
「まさに革命だ」
「フランス革命の様な、いや」
 モンサルヴァートは自分の意見をこう訂正させた。
「アウトカースト層は第三身分よりもです」
「辛い状況にあったな」
「はい、第三身分はあそこまではです」
「その実は酷くなかった」
「そうでした」
「フランス革命は不幸な要因が相次いだ」
 フランス国王ルイ十六世にとってだ。
「飢饉が起こりしかも大寒波でだ」
「セーヌ川が凍り船が動けなくなり」
「パンを作る小麦粉をパリに運べなくなりな」
「起こりましたね」
「ルイ十六世は実は愚かではなかった」
 教養豊かでかつ政治的バランスも取れていた、啓蒙思想にも明るく平民のことも国家のことも常に考えていた。
「しかしだ」
「それでもでしたね」
「多少決断が遅く」
 少なくとも急激に事態が変わる中で決断を下すには遅い人物であった、このことは自身のある部分の手術にも出ている。
「そしてだ」
「運もですね」
「なかった、飢饉に寒波がなければだな」
「革命はああはなりませんでしたね」
「そうなった筈だ、多少フランスは不安定になっていたが」 
 一連の戦争による財政悪化は事実でだ、王妃マリー=アントワネットの浪費は実は然程ではなかった。
「しかしだ」
「それでもでしたね」
「それも立て直せたしだ」
「革命もですね」
「ならなかった、そして第三身分もな」
 そう呼ばれた彼等もというのだ。
「アウトカースト層の様にだ」
「徹底した疎外は受けていなかったですね」
「ルイ十四世の頃の様な圧迫はなかった」
 重税や労役等がだ。
「ルイ十六世はそうしたことは好まなかったしな」
「徐々にブルジョワジーも興っていて」
「よくなっていた」
「左様でしたね」
「しかし彼等はな」
 アウトカースト層はというと。
「実にだ」
「それはですね」
「非常にだ」
「疎外されていて」
「マウリアにいたが」
 このことは事実でもというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ