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星河の覇皇
第八十六部第五章 傍目に見つつその六十

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「それが出来る」
「そうなりますか」
「マウリアは変わる」
「アウトカースト層を除外していた社会が」
「そのアウトカースト層が支配階層になる」
「そうした社会になりますか」
「それも一時でなく」
 それで終わらずというのだ。
「さらにだ」
「長くですね」
「続く」
「そうした風になりますね」
「間違いなくな」
 こう話した。
「あの副主席殿は果たす、おそらく何度失脚してもだ」
「復権してきますか」
「それだけの力はある」
 ジャバル、彼にはというのだ。
「一度の失脚で終わるのならな」
「それまでの人物ですか」
「真に実力があるならだ」 
 マールボロはミルクティーを口にした、かなり甘くしたそれは彼の好物の一つでよく飲んで楽しんでいる。
「それならだ」
「何度失脚してもですね」
「復権してくる、軍でもそうだな」
「はい、一度閑職に回されても」
 即ち左遷されてもというのだ。
「そこからです」
「上がるのがな」
「真に優秀な軍人です」
「そこで心が折れずにな」
「はい、立ったままでいて」
 例え左遷されてもというのだ。
「そしてです」
「また動きな」
「復権するならです」
「真の軍人だな」
「不屈であること」
 その精神を持っていることがというのだ。
「これがまさにです」
「軍人に最も必要な要素の一つだ」
「さもなければです」
「戦争にもな」
「勝てないです」
 モンサルヴァートはこうまで言った。
「幾ら能力が優れていてもな」
「不屈の精神がなければ」
「戦場は心が折れやすい」
「生死を見る世界なので」
「そうだ、そしてだ」
「その中で心が乱れ」
「折れる」
 そうなるというのだ。
「それが戦場だ」
「左様ですね」
「だからな」
「心が折れない、折れてもです」
「すぐに立ち上がらなくてはならない」
「それが不屈の精神であり」
「それがなければだ」
 到底というのだ。
「戦うことなぞ出来ない」
「それが軍人です」
「そしてあの副主席殿はな」
「その精神はお持ちですね」
「そのこともわかった」
 彼と会ってというのだ。
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