第八十二話 三人でのひのきしんその二
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「同じ大教会の人にね」
「高校一年の時のことをですか」
「そのことをね。それで私に色々された子が卒業式終わったら」
その時のことをお話されました。
「おみちから出て行ったこともね」
「言ってるんですね、あの子」
実に新一君の悪い面が出ていると思いました、嫌いな相手の嫌がる困ることなら何の躊躇もなく陰湿なことをする面が。
「そうなんですね」
「卒業式の後でその人の詰所に行ってね」
「おつとめ着もおかきさげも何もかも全部返して」
「それで三年間のことを全部言って」
そうしてというのです。
「帰って行ったことをね」
「先輩の大教会の人達にですか」
「会う度にどの人にもね」
「言い回ってるんですね」
「それも私がやってないことまで」
「そういうこと普通にしますからね」
新一君はです、眉を顰めさせて言いました。
「あの子は」
「それで私もかなりね」
「困っていますよね」
「親にも言われるし」
先輩のことをというのです。
「実家の教会の信者さんにも」
「被害出ているじゃないですか」
「私がしたことだから」
先輩はりっぷくした私に言われました。
「ほら、いい種も悪い種もね」
「蒔いたら芽が出ますね」
「そうなるから」
だからだというのです。
「私もよ」
「悪い種が、ですか」
「芽が出たのよ」
「そうですか、ですが今度は新一君がです」
先輩がそう言われるならです。
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