第十七章
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「そうだね」
「そうだ、焦ってもしくじるだけだ」
浮世はジーンに鋭い顔のまま話した。
「だからだ」
「今はだね」
「ベルトを届けたならな」
「待つんだね」
「そうすることだ、動いてはならない」
「じゃあね、ただ僕は祢音を見守るよ」
キューンは彼女のサポーターとして春菊を食べながら浮世に話した。
「彼女に気付かれない様にね」
「動画を観るか」
「今は近寄らない方がいいね」
「あいつも馬鹿じゃない」
これが浮世の返事だった。
「だからな」
「そうだね、だからね」
「今は直接近寄らないな」
「そうするよ」
「賢明な判断だ、幾ら推しでもだ」
「今は、ね」
「迂闊に近寄らないことだ」
キューンに忠告する様に告げた。
「くれぐれもな」
「若し彼女が僕達に警戒心を抱いたら」
「後で説明すればいいにしてもな」
「それまで不都合があるかも知れないね」
「だからだ」
そうなることが危惧されるからだというのだ。
「今はな」
「彼女は見守るだけだね」
「動画を観る位でな、ではな」
「うん、今はね」
「ここで待つ」
「そうしよう」
「景和達は必ず集まることになる」
浮世は確信を以て言った。
「まさにな」
「そうだね、それじゃあね」
「今はな」
「様子を見ることだね」
「ここでな」
ここまで言うとだった。
浮世は酒を出した、日本酒である。一升瓶を出してそのうえで仲間達に対して微笑んで誘いをかけた。
「どうだ」
「お酒ですか」
「そうだ、どうだ」
「それでは」
微笑んでだった、ツムリが応えてだった。
浮世達は今は待つことにした、だが浮世とメールを交換してだった。
五十嵐元太はジョージ=狩崎の研究室に集まった悪魔のライダーの関係者達に対してだ、神妙な顔で言った。
「若しかじゃなくてね」
「間違いない」
狩崎は腕を組んで言い切った。
「彼、浮世英寿は仮面ライダーだな」
「やっぱりそうだね」
「それでだ」
狩崎はさらに言った、関係者全員にそれぞれ椅子が用意されていて科学的な研究室の中で車座になって座っている。
「彼からは何と言っている」
「今はメールを交換しただけだよ」
元太は狩崎に答えた。
「まだね」
「それは怪しいです」
オルテカは真剣な顔で話した。
「本当に」
「そうね、博士の言う通りよね」
さくらも言った。
「これは」
「そうね、何かあれば」
夏木花はさくらの言葉に頷きつつ述べた。
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