第十五章
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「相手が動く」
「スサノオが、ですか」
「絶対にな、それはあと少しだ」
浮世は自分のお椀の中の肉を箸で取って口の中に入れつつツムリに答えた。
「スサノオが仕掛けてくるのはな」
「あと少しですか」
「そうだ、そしてだ」
スサノオが動けばというのだ。
「その時にな」
「あらためてですね」
「俺達は動く、ベルトは持っているな」
「はい」
真剣な顔でだ、ツムリは浮世に答えた。
「皆さんの分は」
「こちらにある」
「ライダーのベルトは」
「俺達の切り札はな、そしてだ」
浮世はさらに話した。
「仮面ライダーは俺達だけじゃない」
「五十嵐一輝さん達もですね」
「あいつ等には種を撒いた、実はあれから毎日風呂屋に行っているな」
「私も。いいお店ですね」
ツムリは豆腐を食べながら微笑んで応えた。
「あちらの銭湯は」
「そうだな、それで姉さんも毎日行っているな」
「貴方達と一緒に」
「それでこの前親父さんとメールを交換した」
浮世はこのことも話した。
「そうした」
「えっ、何時の間に」
ジーンは糸蒟蒻を自分の箸で取った状態で動きを止めた、そのうえで浮世に顔を向けてそのうえで彼に言った。
「やったんだ」
「一昨日だ」
浮世は平然とした顔で答えた。
「親父さんも気さくに応じてくれた」
「いや、何時の間にそうしたのか」
「気付かなかったか」
「全くだよ」
「僕もだよ」
キューンも言った、彼は葱が碗にある。
「本当に」
「敵を騙すには味方からだ」
浮世はここで楽しそうに笑って述べた。
「隠すことも時には騙すことになるな」
「それはね」
「言われてみれば」
ジーンもキューンも否定しなかった。
「そうなるね」
「こうした場合は」
「狐は化かす、今回も上手くいったな」
「うん、けれどね」
キューンはそれでもと浮世に言った。
「そうしたところは相変わらずだね」
「神が相手だ、俺も全力で化かす」
「それで僕達もなんだ」
「そうした、悪く思うか」
「いや、見事だと思うよ」
キューンは笑って応えた。
「そのことは相変わらずだね」
「君が俺達を化かすのはいい時だしね」
ジーンも言ってきた。
「だからいいよ」
「むしろよくやってくれた」
「ではですね」
それではとだ、ツムリも言ってきた。
「スサノオが仕掛けて来れば」
「俺達も動いてな」
「そうしてですね」
「五十嵐家のおじさんに連絡してな」
「すぐにですね」
「来てもらう、あちらはわかっている」
「スサノオのことが」
「戦ってきたからな」
そうであるからだというのだ。
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